出版社内容情報
24年音信不通だった父の謎の“遺産"。無限の富を生み出す遺産を巡り、人々は騙し合い、殺し合う……。著者初期ミステリーの傑作、復刊!
内容説明
24年間音信不通だった父が亡くなった。その知らせを受け、駆け出しのカメラマン・信一は、画家だった父の形見として一枚の絵を手にすることに。すると、急に大きな仕事の依頼が舞い込む。さらに、ヤクザに脅され、“父の友人”から妙な連絡があり、とにかく不穏だ。そして、父が残した「遺産」は無限の富を生み出すという事実まで明るみに。父はどんな人物だったのか、そしてその遺産とは何なのか―。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年名古屋生まれ。79年『感傷の街角』で第1回小説推理新人賞、91年『新宿鮫』で第12回吉川英治文学新人賞、第44回日本推理作家協会賞、93年『新宿鮫 無間人形』で第110回直木賞、2004年『パンドラ・アイランド』で第17回柴田錬三郎賞、10年第14回日本ミステリ文学大賞、14年『海と月の迷路』で第48回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
89
大沢さん流のストーリーへの引き込み方、何と言っても読み易い文章と面白さ。夢の島をめぐってわらわらと湧いてくる得たいの知れない輩たち。宝の山には一体何があるんだ?作中で何度も出て来るワードにおおよその想像はついたが、想像もそこまで。24年前に母親と離婚して音信不通の父親の死亡連絡を聞いたカメラマンの信一。画家だった父のかたみの絵を譲り受けたはいいが、そこから信一の周りが何やら騒がしくなる。目的は絵に書かれた島の存在。ロマン?いや、サスペンス。後半にまた驚きの一幕が。こういうのは何も考えずに楽しまなくては。2022/11/01
KAZOO
85
今回の大澤さんの作品は警察ものではなく20年以上も音信不通であった父親が死亡したとの連絡を受けた主人公が、その後父親の書いた絵画をめぐっての一種のアドベンチャーものです。その絵にはある島が書いてありその場所をめぐって様々な人物が暗躍するものでエンタテイメントとしては楽しめました。ただ表題からすると夢の島というのでもっと楽しい島を予想したのですが…。2021/12/01
オーウェン
63
幼いころに音信不通になった父が亡くなった報せが。 信一は父の形見の絵を受け取ったが、そこからカメラマンとして仕事が入ったり、見も知らない人間から接触が舞い込むことに。 大沢さんの冒険小説の1作。 冒頭からすんなりと世界観に入っていけるし、その後も複数の人物が入れ替わり出てくるが、誰が信頼出来て、誰が裏で暗躍しているのか。 キャラも魅力的で、特に女装仕事の鯉丸。 信一を愛しながらも、そのために事件に巻き込まれていく運命。 夢の島にあるものとは何なのかを追い求めていく青春譚ともいえる。 面白かったです。2022/01/26
Syo
27
さすが大沢在昌2022/11/25
carl
23
面白かった。展開が良い意味で解りやすく楽しめた だが・・夢の島ってタイトル良いのかぁ?2022/03/30