出版社内容情報
龍馬事件の謎を解くため、太宰府を訪れた夏樹と一条。現われた久継は初対面のようにふるまっていて、とまどい悩む夏樹だが……。
内容説明
京の都を旅立って半月。大宰府にたどり着いた夏樹と一条は藤原久継と対面する。姿は都で会った久継そのものなのに、初対面の優秀な官人として振る舞う彼に混乱する夏樹。大宰府に滞在するうち、やはり彼が怪馬の乗り手だと感じつつ、信じたくない気持ちで思い悩む。しかし、一条はその迷いを一蹴。証拠固めのため、二人は久継の屋敷に向かい…。冥府をも巻きこんで事態はさらに混迷する!
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。集英社コバルト文庫に「聖霊狩り」シリーズ、「鬼舞」シリーズなど著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
このシリーズ一番の長編で旧版では5分冊となっていましたが、新版では3分冊となっています。今回は弘徽殿の女御の実家である左大臣家で怪異現象が起きます。それを解明するために主人公と陰陽師の弟子の一条が対応しますが、その一条が何者かに矢を討たれ死亡してしまいます。そこで主人公が冥府へ向かい一条を取り戻します。ただそのためには冥府での約束を守る必要があり、そのために今度は太宰府まで赴きます。そこで最後は何とか解決しますがこの事件の原因がかなり昔の男女間のもつれであったという事です。2024/01/07
momi
31
楽しみにしていた「空蝉挽歌」の後編!!冥府を巻きこんでの騒動に決着がつく巻でしたが…哀しみ残る終わり方でした…。2021/11/09
tomtom
20
あそこまで陰陽師や牛頭鬼たちが苦労していたのに、最後の最後であっさり終わってしまった気がする。あそこまでの執着があれだけのことが理由だったとは思えなかった。あおえだけでなくしろきも出てきて楽しかったので、この二人のコンビがまた見られたらいいな。2023/05/25
きょん
14
自分の望みを達成する手段があれば他人を蹴落としても成就させるのを良しとする久継の考え方がやはり理解し難いなあ。確かに、自分を陥れておいて、後悔されてもイラッとする気持ちはわかるけど。今回は夏樹君の疑似父殺しの成長過程という意味合いもあるのかな。2021/11/14
あずとも
10
最後は冥府の鬼たちまで参戦。久継の想いは結局理解できなかったかも。哀しい終わり方。その中でどういう状況でも変わりないあおえの安定感に癒される。夏樹の今後の成長に期待。2021/10/27