出版社内容情報
元禄十四年三月十四日、江戸城松の廊下での刃傷から続く赤穂事件。揺れる家中を、一人の少女の視点から描く長編時代小説。
内容説明
赤穂藩京屋敷留守居役の小野寺十内と妻お丹に仕えるろく。親を知らず耳が聞こえぬ彼女だが、出会いに恵まれ仕合わせな日々を過ごしている。しかしろくが二十歳になった年、藩主浅野内匠頭の江戸城松の廊下での刃傷という一大事が出来する。忠義を貫き命を散らすのが武士の一分ならば遺された者の一分とは…。滋味溢れる筆致で赤穂事件の顛末と家中の人々の覚悟を描く第9回中山義秀文学賞受賞作。
著者等紹介
竹田真砂子[タケダマサコ]
東京都牛込神楽坂生まれ。法政大学卒業。1982年に「十六夜に」で第61回オール讀物新人賞、2003年に『白春』で第9回中山義秀文学賞、11年に『あとより恋の責めくれば』で第30回新田次郎文学賞をそれぞれ受賞。「フランス語版邦楽劇SHUNKIN」ほか新作舞踊など舞台作品も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
48
忠臣蔵の季節になったので読んでみた。2021/12/10
好奇心
1
赤穂藩士 小野寺十内秀和 61歳 その妻お丹 48歳 養子幸右衛門秀富 28歳 使用人 ろく 家庭内で起こる討ち入りその後切腹までのさまざまの出来事を描いた物語である 京都屋敷留守居役の役にあり、討ち入りまで内蔵助の片腕となり、貢献した人物である、その清廉潔白な温厚な人物像が目に浮かぶ、またお丹との夫婦の穏やかなやりとりも癒しを感じる、そのはざまに存在したろくの存在も潤滑油であった 討ち入りの後の切腹の裁定は予定内だったのか?世論は如何だっの、武士の矜持を守った、その後を追ったお丹も妻の矜持か? 2021/10/04
たつや
0
2023年250冊目。赤穂浪士が吉良上野介を討ち入る忠臣蔵。赤穂藩京屋敷留守居役の小野寺十内とその妻お丹日仕えるろくの視点で描く。武士の一分とは何か、命をどう燃やし尽くすかの美談として語られることの多いエピソードであるが、何ともまあ現代とは違うヤクザ的な社会だったのだなあとも思う2023/12/13
えってぃ
0
武士の一分。生きるために死ぬ。はっとする言葉だった。静かで美しい話でした。2022/03/25