出版社内容情報
河治和香、夢枕獏、米澤穂信、佐藤巖太郎、宮本紀子、植松三十里、武川佑、今村翔吾ほか、新鋭から熟達の作家まで傑作12編を収録。
収録作品/りんの玉 河治和香/媚殊 夢枕獏 /龍軸経 米澤穂信/小栗上野介の選択 佐藤巖太郎/ふたたびの道 宮本紀子/ヤマトフ 植松三十里 /千年の松 武川佑/ウタ・ヌプリ 浮穴みみ/忘れ亡者 矢野隆/完璧なり 今村翔吾/絃の便り 奥山景布子/わらわ鬼 澤田瞳子
内容説明
2020年度発行の文芸誌に掲載された歴史・時代小説の短編から選び抜かれた12編を収録。花街に身を置く少女の繊細な心模様(河治和香「りんの玉」)。妻の口から獣臭を嗅ぎとった絵師のおののき(夢枕獏「媚珠」)。龍と出会った男児が体験する摩訶不思議な道行(米澤穂信「龍軸経」)。日本近代化の父となるはずだった男の悲運(佐藤巖太郎「小栗上野介の選択」)など、名品を揃えた充実の年度版アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
baba
30
2020年のコロナ禍で書かれた様々なジャンルの12の短編。知らない世界に連れて行ってくれた植松三十里氏のロシア国籍を得て通訳となった「ヤマトフ」、浮穴ミミ氏の明治期の北海道の砂金ほりをあつかった「ロタ、ヌプリ」が良かった。今村祥吾氏「完璧なり」が好み。2021/09/04
nana&qoo
23
12編の時代小説アンソロジー。王道の戦国&幕末はもちろん平安や明治と、一口に時代小説といっても幅広く読み心地も様々でした。ファンタジーめいた夢のような雰囲気の米澤穂信さん、キリリと短く鋭い今村翔吾さんはやはり期待通りで面白かったです。小栗上野介やヤマトフ、長岡藤孝と言った実在の人物を描いた歴史小説も勉強になります。名もなき市井の人々を書いた宮本紀子さんはとても好みの作品。お志津さんのキャラクターが素敵でした。長崎という独特の文化を育んだ街を舞台に切なく美しい物語に仕上げた澤田瞳子さんも印象に残りました。2021/11/19
サケ太
19
どれも面白い作品。北海道のゴールドラッシュを描いた「ウタ・ヌブリ(浮穴みみ)」の視点が今までにないものだったので面白かった2021/12/06
ひさか
18
12の短編を集英社文庫から刊行。哀しく美しく闘いから抜け出られ無い永劫の世界を描いたファンタジーとしての「龍軸経」が秀逸。元気を貰える「ふたたびの道」が楽しい。今年はコロナが反映されているという縄田さんの解説も面白い。編集委員:川村湊、雨宮由希夫、伊藤氏貴、植松三十里、縄田一男2021/08/28
ごへいもち
16
宮本紀子○。植松三十里○。武川佑△。今村翔吾△。奥山景布子△。その他はイマイチ、または好みでなかった2023/06/02
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