出版社内容情報
新選組組長として激動の幕末を生き抜いた、最強の剣客・斎藤一の生涯を描く! 注目の時代小説家による、渾身の長編。
内容説明
なぜ彼はそこまで“闘い”に心酔し、鬼と化したのか。十代の終わり、些細な喧嘩から人を殺めた斎藤一は、斬る悦びに目覚め、誰もが恐れる新選組最強の剣士となった―。命懸けで仕掛けた芹沢鴨暗殺や池田屋襲撃など、血なまぐさい事件を重ねてきながら激動の幕末を駆け続けた男の生き様。息を呑む展開、手に汗握る剣戟場面、胸を震わせる結末。注目の正統派時代作家による、渾身の長編。
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年、東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年『戯史三國史 我が糸は誰を操る』で第5回小説現代長編新人賞奨励賞、16年『闘鬼 斎藤一』で第4回野村胡堂文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
283
まずまず。解説にあるように、『流浪人剣心』が斎藤一人気に果たした功績はかなり大きい。さすがに牙突は使わないが、突きで仕留める場面が随所でおいしく用いられていたような気がする。"闘鬼"のタイトルを冠する割には、隊内での権力闘争の比重が高く、維新派の面々があまり登場せず、近藤/土方/沖田といった隊の有名どころも魅力的とはいえない描写。また、斎藤が最初からそこそこの強さで、ずっとそこそこなまま、成長や進化が感じられないことも気になった。人を斬ったことがあればそれだけで強い、みたいな短絡的な論が根底にあるような。2021/05/23
とし
73
闘鬼 斎藤一。新撰組で副長助勤、三番隊組長。戊辰戦争では旧幕府軍に従い新政府軍と戦い、明治維新後警視庁の警察、西南戦争では警視隊に所属して西郷軍と戦う、最後まで闘う人だったんですね。 2022/12/22
えみ
66
鳥肌が立った!新選組最強剣士・斎藤一の伝説がまた一つこの世に生み出された瞬間!!この闘鬼誕生を心から喜び、読了後も冷めやらぬこの興奮と幸福を噛み締めたい。己の感じるまま望んで獲物を捕る蜘蛛の如し“闘い”から、時勢にのまれた“争い”に変わったとき、常に最前線で闘い続けた男の真価が発揮された。喰うか喰われるか。鮮血降り注ぐ幕末乱世を力強く駆け抜けた闘鬼・斎藤一の活躍が描かれた一冊。新選組という組織の中で何を考えどう生き、そこに何を見出したのか。猛々しく己を信じるままに生きる男の姿が胸を熱くする。終始虜だった!2021/04/25
おかむー
55
新選組のなかでも斎藤一を主人公に据えた作品としては浅田次郎の『一刀斎夢録』があるが、そちらは未読なので先入観なしで読めたのはよかったか。『よくできました』。終始齋藤の視点で、新選組の創設から会津での戦いまでが描かれるので近藤、土方、沖田を軸に描かれる従来の新選組モノとは一風変わった趣で新鮮な読み応えですね。ギリギリの命のやり取りの中で“生”の実感を得ることを求めてながらも、幕末の流れに翻弄される新選組の現実との狭間に揺れる齋藤が、人切りでありながらも人間臭く好感触。老いてなお剣鬼なエピローグが秀逸。2021/07/13
PEN-F
39
殺るときは一瞬でケリをつけるべし!2021/10/03