集英社文庫<br> 波の上のキネマ

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集英社文庫
波の上のキネマ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 507p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087442021
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

尼崎の小さな映画館を父親から引き継いだ安室俊介は、不動産業者から、閉館と買収の話をたびたび持ちかけられていた。座席数100余りの小さな映画館は戦後間もない時期に祖父が始めたが、収益を上げることは年々難しくなっている。迷いつつも閉館するしかないと考えた俊介だったが、新聞記者からの取材には、まだ正式には決めていないと話した。だが新聞には「年内に閉館する見通し」との記事が出てしまう。記事の反響は大きく、マスコミからの取材が殺到したが、俊介はすべて断った。
そんなある日、創業者である祖父の名前を出した問い合わせが入る。電話の主は台湾に住む男で、彼の祖父が俊介の祖父と知り合いだったという。俊介は祖父の前半生を知らなかった。閉館にあたり映画館の歴史を調べようとしていた俊介は、男から驚くべき事実を告げられる。尼崎に生まれた祖父は若い頃、ある島で強制的に働かされていた。そして、祖父たちがいた場所は、当時、脱出不可能と言われ、密林の中に映画館があったというのだ。
なぜ祖父はその場所に行ったのか。どのようにそこから脱出し、なぜ映画館を始めたのか。
創業者である祖父の若かりし日々を追って、俊介はその場所に向かう。
歴史のうねりと個人の生が紡ぎだす、感動と興奮の長編小説。


【著者略歴】
増山 実(ますやま・みのる)
1958年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。2012年に「いつの日か来た道」で第19回松本清張賞最終候補となり、それを改題した『勇者たちへの伝言』で2013年にデビュー。同作は2016年に「第4回大阪ほんま本大賞」を受賞した。他の著書に『空の走者たち』(2014年)、『風よ僕らに海の歌を』(2017年)がある。

内容説明

尼崎に祖父が創業した小さな映画館「波の上キネマ」を継ぐ安室俊介は、あるきっかけで祖父の前半生に興味を持ち、南へ向かう。祖父は脱出不可能な絶海の島で苛酷な労働を強いられていたが、そこにはジャングルの中に映画館があったという。祖父はなぜその島に行ったのか。なぜ密林に映画館があったのか。運命に抗う祖父が見たものは…。壮大なスケールで描く驚嘆と希望の長編小説。

著者等紹介

増山実[マスヤマミノル]
1958年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。2012年に「いつの日か来た道」で第19回松本清張賞最終候補となり、それを改題した『勇者たちへの伝言』で13年にデビュー。同作は16年に「第4回大阪ほんま本大賞」を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

里愛乍

61
映画館で観る映画が好きだ。話題作をシネコンで観るのもいいけど、お気に入りの映画館でふらりと立ち寄って出会うのもいい。柄本のじいさんが語る世代を微ながら覚えているからだろうか、懐かしさに込み上げてくるものがある。だけど本作はそんなノスタルジーに浸ってるだけではすまなかった。こんな過酷な労働?があろうかと凄まじさに息を呑むばかりである。そんな人間の感覚すら失う毎日に感情を取り戻してくれたのは音楽であり映画だった。人間の生活に何が大切か、切り離してはいけないか、このご時世に改めて考えさせてくれたと思う。2023/01/08

トラキチ

36
再読。増山さんの作品は歴史を追体験出来ます。本作では閉館を決めている尼崎の単館系の映画館のオーナーが、あるきっかけから映画館をオープンさせた祖父のことを遡ります。そこで一筋縄でない祖父の経験を知ることとなりますが、読者も然りですね。舞台は西表島、石炭発掘のために過酷な強制労働が描かれます。作中の言葉を借りれば、多くの人が日本の近代化の犠牲となります。参考文献も多く、実話を元にして作られてるので感慨深さはより深いです。それと、各章映画のタイトル名がつけられていて、作者の映画に対する造詣深さが伺い知れます。2023/07/17

JUN

22
友人にもらった本。西表島の炭鉱の話。実際に、こんな悲惨で過酷な牢獄のような場所があったんだろうな。2023/02/10

野比玉子  

19
壮大な物語だった。西表島に日本有数の炭鉱がありその中に映画館があった事など全く知らなかった。映画と炭鉱がどのように繋がっていくのか話を辿っていく中で、忘れてはいけない事実があり、それを基にしてこの小説が生まれた。映画は炭鉱の中で働く坑夫たちの一筋の光であったことがひしひしと伝わってきた。尼崎の映画館と炭鉱の中の映画館が繋がった時に感動で心揺さぶられて言葉にできない。2021/09/24

あかり

13
祖父が創業した映画館「波の上のキネマ」を継いだ安室俊介。経営が傾き廃業という言葉が頭をかすめる。ところがあることをきっかけに祖父の過去が明らかに…。物語は現代の尼崎の映画館から昭和二十年前後の西表島炭坑へとトリップ。過酷を極めた炭鉱労働夫の生活は南国の長閑な印象とは真逆のもの。この本を読むまで西表島の炭坑の存在すら知らなかった。ジャンル分けに困ったけれど読後感はいい。映画をとっかかりにいい勉強ができたと思う。2021/05/21

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