出版社内容情報
死に至る肺炎を引き起こす謎の感染症が東京近郊の町で発生。パンデミックを防ぐため、疫学者たちが立ち向かう。まさに予言の書。
内容説明
東京からほど近い海辺の町で、死に至る肺炎を引き起こす謎の感染症が発生!重症患者、死者までも急増し、選りすぐりの疫学チームが現場に入るが、なかなか感染源は特定できない…。感染拡大により医療だけでなく行政がきしみ、市民生活が崩れかけるなか、世界的なパンデミックを防ぐために疫学者たちが立ち向かう。緊迫の10日間を描く、アウトブレイク小説。まさに予言の書、緊急復刊!
著者等紹介
川端裕人[カワバタヒロト]
1964年兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。東京大学教養学部卒業。日本テレビ入社後、科学技術庁、気象庁担当記者を経て、97年退社。98年『夏のロケット』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@80.7
51
07年に書かれた未知の感染症に挑む疫学者たちの物語。コロナ禍となってみればこの物語の展開も身につまされる思いだけれど、15年前での状況ならまだこれほど現実味を帯びた気はしないで読了したのでしょう。「夏の災厄」「首都感染」ときてこの「エピデミック」、つくづく作家の方は敏感だなと思う。このCOVID-19でも疫学者の方々の働きが誰にも知られず行われているのでしょうね。2022/01/07
てつ
40
今世界中で起きていることを予言したかのような小説。結末があっさりしすぎていて感傷的なのは欠点なのか。いろんなことを教えてくれるよい本であった。2021/04/08
hisa_NAO
20
アウトブレイク=集団発生、エピデミック=流行、パンデミック=世界的な大流行。 COVID-19パンデミック渦中で、エピデミックの小説を読む。 関東南部の半島にあるT市で、強烈な肺炎を引き起こす感染症が発生。感染症と戦うフィールド疫学者・医師たちの戦いを描く。 フィールド疫学:集団感染を制御すること。時間・場所・人を見ていく。(病原体)の元栓を探して締める。 wikiでは、「疫学は、個人ではなく集団を対象として病気(疾病)の発生原因や流行状態、予防などを研究する学問。」 小説としては、ちょっと散漫な印象。2021/02/15
えりまき
17
2020(234)コロナ禍の今読むからこそ共感できる部分がたくさんありました。一気に拡大する感染の様子がリアルで怖い。国立集団感染予防センターの島袋ケイトと仙水望。小児科医院の黒部夫妻。保健所の小堺くん。ライターの赤坂。謎の施設で暮らす子供たち。特定できない感染源。ネコ・カモ・コウモリ・クジラ、どれも怪しく…さらにウィルステロの可能性も!仕事・命・家庭、何を大切にすべきか考えさせられました。2020/09/21
スプリント
16
新型コロナの世界だからこそよりリアルに感じられる。 疫学という学問と保健所の関係性もしることができる。2021/04/03