出版社内容情報
小石川御薬園で暮らす同心・水上草介。紀州へ発つ日を目前に、園内に居ついたお目付け役が口を出し監視する。感動のシリーズ最終巻。
内容説明
流行り病に襲われた御薬園に立ちはだかるは目付・鳥居耀蔵―草介絶体絶命。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
37
「御薬園同心 水上草介シリーズ」第三巻。草介ののんびりホワホワな言動に癒されながら読み終えました。途中鳥居耀蔵が登場した時には、どうなるのかとドキドキしましたが。やはりこの時代だと蘭方医と漢方医の対立は避けて通れませんから仕方ないですね。そして河島仙寿の熱血ぶりは好ましく読みました。最後はスッキリ終わって温かい気持ちになりましたが、この時代これから変動期に入るのがわかっていますから、草介がこれからどんな風に草木と関わって生きて行くのか知りたいです。第二シリーズの開幕を望みます。三部作面白かったです。2023/10/12
びぃごろ
12
植物と医療に美味しいものを絡ませた大好きな作品、三巻目にして完結。小石川御薬園同心の水草、紀州の医学館施薬局に本草の知識を見込まれ旅立ちます。連作短編8本。刀より鋏が大事な水草と剣の鍛錬に余念のない千歳、いい組み合わせですな。(伊与太と茜も幸せになれ)「上さまのためだけに、草木は育っているわけではない。私たちは、草木からの恩恵を受けて暮らしているのです。草木の命を分けてもらっているのです」2021/02/17
Y.yamabuki
9
主人公は幕府御薬園の同心、水上草介。季節の移ろいを楽しみながら、薬草のことばかり考えている。穏やかで気弱だけれど、通すところは通す。そして各々個性的だけれど暖かい周りの人達。この雰囲気が好きだ。前半のほっこりした問題解決から、一転して療養所の流行り病や高野長英との関わりと続くが、この雰囲気は変わらない。すっかり水草(渾名)の世界に、はまってしまった。ちゃんと一巻目から読まなければ。2020/06/15
まき
7
あぁ完結してしまった。紀州に行ってからの草介たちの様子が知りたいよ。それにしても草介の千歳への告白がギリギリだったなぁ。河島の企みかなけりゃ実らなかったのかい? 面白いシリーズでした。2024/02/13
めい
6
2年後に勉学のため紀州へ行く草介、それが早まって日も浅いうちに赴くことに。このタイムリミットがなければ、千歳様に想いを告げることもなかったのかも。型にはまらないお二人のその後も読んでみたいです。2022/05/14