出版社内容情報
彼らの働きなくして国民的スポーツ野球を支える打者の活躍は成り立たない。王貞治
内容説明
バッティングピッチャー。決して試合に出ない、打撃練習専門の投手のことだ。打撃投手とも呼ばれ、その多くは三桁の背番号を背負う。王貞治、長嶋茂雄、落合博満、イチロー、松井秀喜…天才バッターたちは、練習で専属の打撃投手に投げさせた。そして、試合では燦然と輝く記録を残した。今の球界の盛り上がりは、彼らの存在なくしてありえない!国民的スポーツの裏方に迫るノンフィクション。
目次
第1章 日本プロ野球史上に残る大打者に投げる
第2章 スター選手だったバッピ
第3章 投げるのはつらいよ
第4章 孤高の三冠王落合博満の恋人
第5章 熟練の技術、プライド
第6章 打撃投手はいつ生まれたか
第7章 打撃投手は“天職”―読売ジャイアンツ・白井正勝
第8章 打撃投手から見たONの素顔
著者等紹介
澤宮優[サワミヤユウ]
1964年熊本県生まれ。ノンフィクションライター。青山学院大学文学部卒業後、早稲田大学第二文学部卒業。2003年に刊行された『巨人軍最強の捕手』で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
31
バッティングピッチャーの存在は知っていたが、持っていたイメージとは、かなり違っていた。バッターとのコミュニケーションがかなり重要で、意思疎通を図りながら、バッターの状態や思いを掴みながら、よりよい状態に向けることが一番。その中では、アドバイスの場面もあってしかるべき。何より、毎日のように正面から相対しているからこそ、分かることもあるとは、なるほどと思う。2020/05/12
ドリル
21
★★2022/04/26
マッちゃま
20
プロ野球選手のバッティング練習の為に投げるピッチャー、略してバッピ。そこに焦点を当てた作品。プロで大成できなかった投手が次の職として付く事が多いが中にはプロでタイトルを取った人も居る。華やかな世界を歩いた方もバッピとなれば裏方。其処に葛藤もあるだろし、どう向き合っていくのか?食べていくためにバッピになってもイップスを発症し若くして馘になる人も居る。彼らの生き様、矜持とは?「大打者の恋人」と呼ばれ、周りから認められても決して華々しい世界ではない。それでも彼らは今日も誰かのために投げ続けている姿が此処にある。2020/06/20
tetsubun1000mg
15
バッティングピッチャーを取り上げたノンフィクション。 聞いたことがある名前から、西武の新人王を取った杉山健人、巨人の入来祐作など主力ピッチャーの名前も出てくるので読むのが止まらない。 しかし、バッティングピッチャーとはいえ実力本位のプロの世界は、再度一軍で投げる選手もいれば、杉山氏や入来氏のようにピッチングコーチなどの仕事に携わる選手もいる。 入来氏はソフトバンクのコーチなどを続けて今年はオリックスの2軍投手コーチになったらしい。 中でも落合選手の専属バッティングピッチャーになった選手の話しは面白い。2020/11/30
鷹ぼん
11
「あ、俺と一緒やな」と思ったのは、著者が『あぶさん』で南海の西村省三のエピソードを読んで、「バッピ」に興味を持ったという点。僕はそのころ、南海ホークス「ファンブック」の「我らも戦力だ」というページで、西村以外に本書でも名前が出てくる和中、難波ら打撃投手陣の紹介を見て「あの人らは打撃投手という専門の投手か」と認識した。以来、このポジションに少なからず興味を持って開門後の打撃練習を眺めていた。バッピのエピソード満載の本書だが、そこから好打者たちの苦悩や素顔が見えて、野球ロスの心の隙間を埋めてくれる良書だった。2020/04/20
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- 和書
- 秋の童話完全版 〈2〉