出版社内容情報
佐藤 真由美 サトウ マユミ 七重 ナナジュウ シチジュウ カノウ トモコ セプテッド
内容説明
山田陽子は一人息子の陽介を愛するワーキングマザー。トランペットに憧れ、中学では吹奏楽部に入部した陽介は、部活に勉強にと、青春の日々を送る。一方、中学生なんだし、そうそう親の出番もないだろう―そう思っていた陽子を待ち受けていたのは「吹奏楽部親の会」での戦いの日々だった…。部活を頑張る少年少女の陰で奮闘する親たちの姿を描く、笑いと涙の傑作エンターテインメント!
著者等紹介
加納朋子[カノウトモコ]
1966年福岡県生まれ。文教大学女子短期大学部卒業。92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。95年『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
286
『七人の敵がいる』が凄く面白くて加納さんを好きになった。本作はその続編。お馴染みの『ミセス·ブルドーザー』陽子さんのパワーと知恵と行動力と息子愛に再会できた!中学校の吹奏楽部の縁の下の力持ちといえる『親の会』の奮闘記。前作のPTAといい親の組織はおぞましくて怖いっ!子を持つ母親の偉大さと、涙ぐましい努力を改めて思う。面白さは保証付き、テンポの早さに読み手の捲りは光速怒涛!親の陰の奮闘も面白いが、その表で光輝く成長をしてくれる子供達が眩しい!トウキョウさんとゴルビーさんが好きだなぁ!前作含め超お薦め‼️🙇2020/09/21
NAO
59
山田陽子は、文学一辺倒だったので、音楽に関しては無知に等しい。息子が吹奏楽部に入ったのに、楽器や音楽に興味を持つわけでもない。息子が楽しそうに楽器を吹いているのを見ている(聴くこともだが)のが至福なのだ。音楽はわからない楽器のこともわからない(知る気がない)、吹奏楽部の活動についても何も知らない山田陽子が、息子のために、吹奏楽部の裏方としての奮闘記。こんな人が身近にいたらちょっとざわつくかもとは思うが、クスッと笑いながら楽しく読んだ。2025/02/19
kei302
48
やって当たり前で感謝もされず、駄目なときだけ指摘を受ける。みんな、てんで勝手な要求をする。そして、(ここ強調→)理不尽なことに、その仕事は何とはなしに軽く見られたりもする。最近の自分と重ね合わせて、激しく同意。「この歳になってさえ、人はまだ変われるのだ」陽子さんは強いけど、私はママ友:玉野遙のように柔軟に生きたい。2019/10/20
カブ
46
中学生陽介の母で、会社でのあだ名は「ミセス・ブルドーザー」山田陽子。陽介はトランペットに憧れ吹奏楽部に入部。これは「吹奏楽部親子の会」での陽子の奮闘記である。部活動でひたすら頑張る中学生たちを支えるお役目は本当に縁の下の力持ち。真剣だからこそおかしくもあり感動もある。親って本当にありがたい。2020/03/08
エドワード
42
「七人の敵がいる」の山田陽子リターンズ。何年ぶり?冒頭の「もし物語の神様と音楽の神様がけんかしたら、どっちを応援する?」との問いに私は両方としか答えられない。楽器が全く出来ない私が今なぜ音楽の仕事をしているのか?それは生の演奏に魅せられたからだ。最強マザー陽子の唯一の弱点・息子の陽介が吹奏楽部でファゴットを演奏する。校内音楽発表会で、人生で初めて音楽を聴いて大号泣する陽子。そうなんだよ!音楽の力は理屈じゃない!そりゃ、そこへ至るまで、非合理的で無茶なことばかり。それでもこの感動の前には消え去るんだよ。2022/02/11