出版社内容情報
どうして結婚しなきゃいけないの? 運命の相手はどこ? 悩めるアラサー女子・倫子を通して見えてくる、現代の結婚観とその変遷とは。
内容説明
古屋倫子、二十八歳。旅行会社勤務。独身、彼氏なし。最近気になって仕方ないのは、卵子は老化するという事実。その時限爆弾を解除する方法は、結婚以外にない―でも、結婚ってなに?倫子は周囲の既婚者を見渡すも、結婚というものがますますわからなくなる。そんな中、同僚の花蓮の結婚が決まり…。悩めるアラサー女性を主人公に、時代と共に変化する結婚観を冴えた筆致で描いた傑作長編。
著者等紹介
橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒業。77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作入選。以後、小説・評論・古典の現代語訳・エッセイなど、あらゆるジャンルで執筆活動を行う。2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調 平家物語』で毎日出版文化賞、18年『草薙の剣』で野間文芸賞受賞。19年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さぜん
50
文庫本にて再読。香山リカさんが「SNSが結婚の意味を根本的に変えハードルを下げている」と解説している。この作品を書いていた時は今ほどインスタばやりではなかった。誰かが結婚の写真を上げれば私もとばかりに競う。結婚とは?自分の人生とは?なんて考えることもせずに。私でさえそんな現況を憂うのに橋本さんだったらどうだろう?令和時代ならではの結婚観を打ち出しているかも。あーホントにもういないんだな、橋本さん。2019/09/13
はじめさん
27
28歳、東京の旅行会社勤務の倫子。年収300万未満。友人との会話で、羊水は腐らないけど、卵子は老化するという事実を知る。産む、産まない、結婚する、しない は個人の自由だが いざそういった話題になるとまったく将来を考えないでもない。休暇で実家の千葉に帰れば、先に結婚した弟夫婦の姿…2人はラブというよりライフ? もうあんな女とは離婚だ。俺と結婚しろと迫る証券会社エリートと昔の男…倫子にとって結婚はますますわからなくなり、軽い気持ちで女は500円の婚活パーティに行ってみたり…彼女の下す決断とは。/ 読んでて痛い2019/08/25
nukowan
9
「結婚」ですよ、「結婚」。物語の中でもうすぐ28歳になる倫子が結婚のことを考え始める話。とっかかりのない「結婚」に対して結婚アマチュアの倫子はいろいろなことを考えていく。男性女性の違いはあるけど、結婚に対して考えさせられた。もう四十代の独身男性です。ラストも爽やかでよかった!2020/03/20
キリン
8
結末がどうにもモヤモヤ。2020/08/12
鉄吉(てつきち)
5
現在倫子と同じ28歳なので読んでみました。確かに結婚しなくても困らない世の中だけど、そんな中でこの人と一緒になりたいって思える人と出逢えたらスゴく幸せなんだろうなと思います。2020/01/29