集英社新書<br> ルポ無料塾―「教育格差」議論の死角

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ルポ無料塾―「教育格差」議論の死角

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087212921
  • NDC分類 376.8
  • Cコード C0237

出版社内容情報

教育格差は絶対悪なのか?
機会の平等が実現された先にある「本当の地獄」とは?

【内容紹介】
経済的余裕のない家庭の子どもに勉強を教える「無料塾」は、学歴が収入や地位に直結する現代で子どもを救う存在となっている。
一方、無料塾は重大な問いを社会に投げかける。
生育環境による教育格差を埋めることは重要だが、受験戦争のさらなる先鋭化に加担することにならないか。
また、仮に機会の平等さえ実現したら、そのなかで競争に負けた者は自己責任でいいのか。
さまざまなタイプの無料塾への取材からそれぞれのジレンマを明らかにし、これまでの教育格差の議論で見落とされてきた点をあぶり出す、迫真のルポルタージュ。


【著者略歴】
おおたとしまさ
教育ジャーナリスト。
株式会社リクルートから独立後、数々の育児誌・教育誌の編集に携わる。
教育や育児の現場を丹念に取材し斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。
心理カウンセラー、小学校教員としての経験もある。
著書は『勇者たちの中学受験』『ルポ名門校』『ルポ塾歴社会』『ルポ教育虐待』『不登校でも学べる』『中受離婚』など80冊以上。

内容説明

経済的に余裕のない家庭の子どもに勉強を教える「無料塾」は、学歴が収入や地位に直結する現代で子どもを救う存在となっている。一方、無料塾は重大な問いを社会に投げかける。生育環境による教育格差を埋めることは重要だが、受験戦争のさらなる先鋭化に加担することにならないか。また、仮に機会の平等さえ実現したら、そのなかで競争に負けた者は自己責任でいいのか。さまざまなタイプの無料塾への取材からそれぞれのジレンマをあぶり出し、これまでの教育格差の議論で見落とされてきた死角に光を当てる、迫真のルポルタージュ。

目次

第1部 実話編(みんな一生懸命生きているんだなぁ―無料塾生徒マサヨシの場合;おかしいのは社会のほうじゃない?―無料塾生徒イズミの場合;この世の中にはまだ善意が残っている―無料塾主宰者桃子の場合)
第2部 実例編(個人が主宰する無料塾―日野すみれ塾(東京都日野市)
NPOが独立で運営する無料塾―八王子つばめ塾(東京都八王子市)
大手NPOが多面的に展開する無料塾―キッズドア(首都圏および東北地方) ほか)
第3部 考察編(無料塾というパンドラの箱―塾が必要とされる社会的背景;緩やかな身分社会―教育社会学者 松岡亮二さんインタビュー;不当な差と許容できる差―独立研究者 山口裕也さんインタビュー ほか)

著者等紹介

おおたとしまさ[オオタトシマサ]
教育ジャーナリスト。株式会社リクルートから独立後、数々の育児誌・教育誌の編集に携わる。教育や育児の現場を丹念に取材し斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。心理カウンセラー、小学校教員としての経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

22
3部構成。最初が実話の元にした小説で貧困家庭の生徒と運営者両方の立場から無料塾というものを眺める。「勇者たちの中学受験」もそうだがおおた氏の小説は好きだ。第2部が様々な無料塾のルポで単に子供の学力を上げればよいという問題ではなく、誰かが上がれば誰かは椅子を失うしどこまでいっても問題は噴出し格差は解消しない。そもそもこの取り組みは学歴主義という既存のレールを強化するだけとも言える。第3部が専門家との対談でこれらの問題を考察する。教育社会学者の松岡氏の議論はやはりキレがある。2023/12/21

coldsurgeon

8
学習機会が損なわれている子供を救いたいという想いで無料塾が存在し、そのルポルタージュを通じて見えてきたのは、変革しなければいけない日本社会。日本が教育格差に自覚的な社会になることが大切だが、それだけでは終わらない。本人にはどうにもできない初期条件があり、高い学歴を得る難易度に差がある。教育機会格差(家庭間、学校間、地域間)、社旗経済的地位も要因。それらを何とか解消できたとしても、遺伝的要因はどうしようもなく、むき出しの競争社会を肯定すれば、優性思想に陥る。学歴や経済力の違いが格差に見えない社会がよいのか。2024/01/27

TOMTOM

5
第一部実話編、第二部実例編、第三部考察編、と三部構成にすることで、非常にわかりやすく読みやすかったです。特に三部の考察編は、対談式ですすめられており、それぞれの専門分野の違いから、教育格差と教育差別、不当な差と許容される差、企業が即戦力を求めることの欺瞞などさまざまな問題提起がされ、いろいろと考えさせられました。基本的な人権がみな尊重される、尊厳を持って生きられる社会を目指ことが日本人全体の共通価値観となることが一つの目標と捉えることが回答の一つなのだろうけど、奥が深い一冊でした。2023/12/25

Myrmidon

5
「無料塾」に関するルポ&議論。三部構成で第一部は実話を元にした再現VTR的な。第二部は無料塾のルポ。第三部は教育社会学者の松岡さんらへのインタビュー形式での議論や提言。サクッと読めてそれなりに興味深い反面、議論には違和感もある。例えばお決まりの「勉強が得意な子もいれば、足が速い子や絵が得意な子もいる、それぞれの長所を伸ばす教育を」的な話に対して、自分はやはり市民社会を維持する上で、全員に強制すべき基礎学力はあると思うし、むしろ議論すべきはそこだ、と。まあそれが現在の受験学力だとは思わないが。2023/12/22

suiu

4
物語構成の第1章、第2章のルポ、第3章の対談。無料塾について基礎知識のないものにも順を追って読んでいくと著者が問いたい問題がわかるように構成されていて引き込まれた。つい先週高校受験を終えたばかりの子どもを持つ身として、とても身近に感じる内容だった。子どもたちには学校や塾だけでなく地域のいろいろなつながりの中から生きていくことそのものについでたくさん学んで欲しい。2024/02/22

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