集英社新書<br> 「おひとりさまの老後」が危ない!―介護の転換期に立ち向かう

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集英社新書
「おひとりさまの老後」が危ない!―介護の転換期に立ち向かう

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  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087212839
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0236

出版社内容情報

【老後を控えるすべての人の必読書】
いま、日本人の老後が危機に瀕している。
介護保険制度から20年以上を経て、度重なる改悪により、介護現場は疲弊し、利用者は必要なケアを受けられなくなりつつある。
いったいなぜ、このようなことになったのか。
「在宅ひとり死」の提唱者である上野千鶴子と、長年介護現場に関わり続けるプロフェッショナル高口光子が、お互いの経験と実感をぶつけ合いながら、「よい介護」とは何か、そしてあるべき制度を考える。

【おもな内容】
・「年寄りは生き延びるためには何でも言うんや」
・介護の専門性とは何か
・集団処遇からの脱却
・公平さが生む画一的な労働
・介護と看護の対立はなぜ起こるのか
・施設経営の落とし穴
・コロナ禍でのケアワークの見える化
・小規模施設の未来
・現場が声を上げなければ介護は崩壊する
・在宅介護の限界って?
・質の悪い介護がなくならない理由
・日本で静かに始まる「PLAN 75」

【介護に携わるプロたちも絶賛!】
●石井英寿(宅老所・デイサービス/いしいさん家 代表)
「マクロもミクロもメソも日本の腐りきったおっさん文化。
ケアの値段の安さを戦ってきた上野氏。一方、権力抗争で憔悴した高口氏。
ジェンダーギャップ指数世界125位の現状を垣間見た。」

●阪井由佳子(デイケアハウスにぎやか 代表)
「高口光子は大規模施設の特攻隊長。
私は小規模施設の人間魚雷
自分の命をかけて飛び込みそして美しく散る運命なんだろうか?
この本を読むと
介護が戦争と重なるのはなぜだろう。」

●佐々木淳(医療法人社団 悠翔会 理事長・診療部長)
「ケアを守ることは、私たち自身の将来の生命と生活を守ること。
「生産性」のために犠牲にしてはならないものは何なのか。
介護をめぐる課題の本質を抉り出す、実践と理論、二人の対話。」

●三好春樹(生活とリハビリ研究所 代表)
「「対談」というより、「解雇」された介護アドバイザーへの「事情聴取」(笑)。
「医療モデル」と「生産性」に抵抗する介護現場の奮闘と課題が見えてくる。」

【著者略歴】
上野千鶴子(うえの・ちづこ)
1948年、富山県生まれ。
社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO 法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。
著書に『おひとりさまの老後』(文春文庫)など多数。

高口光子(たかぐち・みつこ)
元気がでる介護研究所所長。
病院・介護施設で、リハビリチーム・ケアチームのリーダー、新規事業開発責任者、管理責任者を歴任。
著書に『介護施設で死ぬということ』(講談社)ほか。

内容説明

いま、日本人の老後が危機に瀕している。介護保険制度から二〇年以上を経て、度重なる改悪により、介護現場は疲弊し、利用者は必要なケアを受けられなくなりつつある。いったいなぜ、このようなことになったのか。「在宅ひとり死」の提唱者である上野千鶴子と、介護現場に長年関わり続けているプロフェッショナル高口光子が、お互いの経験と実感をぶつけ合いながら、「よい介護」の本質とあるべき制度を考える。老後を控えるすべての人に向けた必読書。

目次

第1章 私、クビになりました―介護保険の危機(「年寄りは生き延びるためには何でも言うんや」;老人病院での「不幸くらべ」;看護師からの反発;経営者の生産性と組織防衛によって起こった解雇)
第2章 こうして私は介護のプロになった(介護アドバイザーという職場;集団処遇からの脱却 ほか)
第3章 「生産性」に潰される現場の努力(居室へのカメラ設置;思わぬ大病 ほか)
第4章 介護崩壊の危機(介護崩壊の分岐点;コロナ禍でのケアワークの見える化 ほか)

著者等紹介

上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年、富山県生まれ。社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長

高口光子[タカグチミツコ]
元気がでる介護研究所所長。病院・介護施設で、リハビリチーム・ケアチームのリーダー、新規事業開発責任者、管理責任者を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ネギっ子gen

47
【あの、介護業界のカリスマ・高口光子さんが解雇されていた!】んですねぇ……。迂闊にも知りませんでした。素敵な施設と思っていたのですが……。上野さんは介護保険ができる前年の1999年に熊本で、老人病院で理学療法士していたのをヘッドハンティングされ特養で介護部長として働く高口さんと出会う。彼女は、「嫌いな年寄りは嫌いと言っていいし、好きな年寄りは好きと言っていい。えこひいきしていい」「年寄りは生き延びるためには何でも言うんや」など言った、と。うん。高口さんだよね。「在宅ひとり死」の提唱者と介護のプロの対談。⇒2024/05/18

本詠み人

31
介護保険などの法令の推移を学び、国の施策は頭のいい人が考えたんだろうけど、どうも行き当たりばったりなきれいごと感ばかり感じていた。で、現場はどうなんだろうと思い読み始めた本。現場は想像よりずっと酷い状況だった。本気で入所者さんのことを考えた介護をする人が、経営者からしたら邪魔になったんだろうなぁ…としか思えない髙口さんのクビ切りの顛末。歳をとれば誰もが老い、誰もが介護が必要になる可能性がある。だが介護保険は改悪ばかり重ねているという言葉が重く響き、介護の将来に悲観的な見方しかできないような内容だった。2023/12/29

katoyann

17
介護保険法改定に伴い、介護の現場で起きている問題について語り合った対談。後期高齢者の自己負担割合が増え、さらに介護施設は人件費を抑制して収益を上げようとするために介護労働者の労働時間が増え、ずさんな介護が横行しているという。厳しい社会である。2024/08/24

ochatomo

12
文章から介護技術が高いとわかる高口さんが首切りにあったのは、監視カメラ反対がきっかけのよう 録画は入居者を守るというよりも施設の都合で出したり出さなかったりされる 事業を広げる経営者、生産性重視の事務方との対立 医療>看護>介護のヒエラルキーもある 「おひとりさまの逆襲」の小島さんと違って高口さんは上野さんに押されっぱなし それでも現場の視点が具体例で聞き出された貴重な書と思う とにかく報酬が低いのが問題、上げると保険料も上昇 2023刊 2024/11/05

もくれん

6
上野千鶴子氏と髙口光子氏(上野氏と20年以上付き合いのある介護業界のカリスマ)の対談本。兵法にいわく、戦略の間違いを戦術で補うことはできない。戦術の間違いを戦闘で補うことはできない。戦闘が大規模施設の現場での髙口氏の実践、戦術を考えるのが介護事業者、戦略を練るのが政治とすると、そもそも介護保険という戦略が欠陥だらけで改悪を重ねている中で戦闘を続けることは難しい。最後に触れられている富山型デイサービスのように、自前で前例のない、小規模な取り組みが全国に少しずつ広がりつつあることに微かな希望を見た。2024/07/20

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