集英社新書<br> 小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか―現代の災い「インフォデミック」を考える

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集英社新書
小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか―現代の災い「インフォデミック」を考える

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  • サイズ 新書判/ページ数 264p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087212525
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0236

出版社内容情報

”炎上”を超えて、小山田圭吾と出会いなおすために。
コーネリアスの小山田圭吾が東京五輪開会式の楽曲担当であることが発表された途端、過去の障害者「いじめ」問題がSNSで炎上。
数日間で辞任を余儀なくされた。
これは誤情報を多く含み、社会全体に感染症のように広がる「インフォデミック」であった。
本書は当該の雑誌記事から小山田圭吾の「いじめ」がどのように生まれ、歪んだ形で伝わってきたのかを検証するジャーナリスティックな側面と、日本におけるいじめ言説を丁寧に分析するアカデミックな側面から、いまの情報流通様式が招く深刻な「災い」を考察する現代批評である。

◆目次◆
第1章 小山田圭吾は21世紀のカラヴァッジョなのか
第2章 「ロッキング・オン・ジャパン」はなぜいじめ発言を必要としたのか
第3章 「いじめ紀行」の枠組みを解きほぐす
第4章 「いじめ問題」への囚われのなかで
第5章 匿名掲示板の正義が全国紙の正義になるまで

◆著者略歴◆
片岡大右(かたおか だいすけ)
1974年生まれ。
批評家。
専門は社会思想史・フランス文学。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。
単著に『隠遁者,野生人,蛮人――反文明的形象の系譜と近代』(知泉書館)、共著に『共和国か宗教か、それとも』(白水社)、『古井由吉 文学の奇蹟』(河出書房新社)、『加藤周一を21世紀に引き継ぐために』(水声社)、訳書にデヴィッド・グレーバー『民主主義の非西洋起源について』(以文社)等がある。

内容説明

コーネリアスの小山田圭吾が東京五輪開会式の楽曲担当であることが発表された途端、過去の障害者「いじめ」問題がSNS上で炎上。数日間で辞任を余儀なくされた。これは誤情報を多く含み、社会全体に感染症のように広がる「インフォデミック」であった。本書は当該の雑誌記事から小山田圭吾の「いじめ」がどのように生まれ、歪んだ形で伝わってきたのかを検証するジャーナリスティックな側面と、日本におけるいじめ言説を丁寧に分析するアカデミックな側面から、いまの情報流通様式が招く深刻な「災い」を考察する現代批評である。

目次

第1章 小山田圭吾は21世紀のカラヴァッジョなのか(距離と想像力;小山田圭吾とはどのような音楽家なのか ほか)
第2章 「ロッキング・オン・ジャパン」はなぜいじめ発言を必要としたのか(「ロッキング・オン・ジャパン」1994年1月号―「2ちゃんコピペ」の起源;小山田圭吾は当初から記事に困惑していた ほか)
第3章 「いじめ紀行」の枠組みを解きほぐす(岡崎京子と1990年代のいじめ観;「いじめ紀行」企画者のいじめ観―一面性と画期性の取り違え ほか)
第4章 「いじめ問題」への囚われのなかで(「いじめ紀行」を素直に読むことの難しさ;「いじめ」概念の「現実創発性」 ほか)
第5章 匿名掲示板の正義が全国紙の正義になるまで(エコーチェンバーからインフォデミックへ;「2ちゃんコピペ」の誕生と「小山田祭り」 ほか)

著者等紹介

片岡大右[カタオカダイスケ]
1974年生まれ。批評家。専門は社会思想史・フランス文学。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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踊る猫

31
キーワードは「物語」ということかなと思った。音楽における雑誌・ジャーナリズムが小山田圭吾を「いじめの主犯」というイメージで飾る。そのイメージ/バイアスに沿って記事が作られ、それを補強する記事が新たに生み出され、それがコピペとなって手軽に(ファクトチェックを怠ったまま)シェアされる。「いじめ」という言葉に飛びつき、そこから正義感を燃え上がらせた人たちに恐怖するのはもちろんだ。だが、そうしたジャーナリズムが生み出す「物語」の魔性の力にぼくはどれだけ自覚的であるか。新手の「いじめ」や「渋谷系」試論としても読める2024/01/06

ばんだねいっぺい

28
複雑な物事をできるだけ単純化したいという欲求。メディアそして受け手のファクトチェックの杜撰さ。多数決マジックによる私刑の正当化。2023/06/05

かふ

15
自己プロデュースの失敗ということだが「東京オリンピック」に参加した時点で叩かれると予想出来ないのか?小山田圭吾を正当化するあまり鬼畜系とか擁護するのはどうなのか?なんかポリシーがなさすぎというか、鬼畜系がブームならそれに乗ってしまうこと自体が安易な人なのではと思ってしまう。小山田圭吾に興味もなく、どうでもいい話なのだが。ネットリテラシーの本なら他にいくらでもあるし、あえてこの本を読む必要は小山田圭吾ファンしかないように思う。オザケンはそういうことをしない人なんだし、叩かれて大人になるということか?2024/01/15

kuukazoo

13
2021年夏に小山田氏が東京五輪開会式の楽曲を任されると発表された途端過去の障がい者いじめを語った雑誌記事がSNSで拡散されて炎上、大手メディアも尻馬に乗った騒動を掘り下げ、恣意的に切り取られた情報が本来のそれとは違う歪められた形で広がっていく「インフォデミック」の実態を検証する。関連して90年代の悪趣味系鬼畜系カルチャーやいじめ問題にも言及。特にいじめについて世間が硬直化したイメージしか持てなくなっていることが逆に当事者を苦しめているのではというのは興味深い。物事を単純化してわかった気になることは怖い。2023/06/17

Masaaki Kawai

10
オリンピック間近で炎上して大変やったけど、1年後のフジに出てて、喉元過ぎれば皆どっちでもよくなんのかと思ってたけど、こんな反証があったんやなー。丁寧なセットがなされてると、これが事実かなって気がする。ただ、この本を紹介するネット記事に、事実がどうあれ感情的に受け付けられへんというのがあって、感情って怖いなと思った。そして、そもそも炎上も、この本の冒頭に触れてあるように感情的なものによるところが大きくて、感情だけじゃなく理性的であること大事やなと思ってしまうわ。2023/05/09

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