集英社新書<br> 大東亜共栄圏のクールジャパン―「協働」する文化工作

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集英社新書
大東亜共栄圏のクールジャパン―「協働」する文化工作

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  • サイズ 新書判/ページ数 320p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087212075
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0221

出版社内容情報

【現代日本に偏在する「宣伝工作」と「歴史戦」の起源を辿る】

「クールジャパン」に象徴される各国が競い合うようにおこなっている文化輸出政策。
保守政治家の支持基盤になっている陰謀論者。
政党がメディアや支持者を動員して遂行するSNS工作。
これらの起源は戦時下、大政翼賛会がまんがや映画、小説、アニメを用いておこなったアジアの国々への国家喧伝に見出せる。
宣伝物として用いられる作品を創作者たちが積極的に創り、読者や受け手を戦争に動員する。
その計画の内実と、大東亜共栄圏の形成のために遂行された官民協働の文化工作の全貌を詳らかにしていく。

【本文より】

全てが戦時下に連なるというのはある意味では正しい。

ぼくは戦後から現在に至る生活や政治や文化のあり方が戦後の基調にあり、その表層をお色直し、コーティングしてきた戦後民主主義が衰退して剥離することで、戦時下の様相が復興したと考える。

そしてそもそも戦時下に設計されたそれら文化創造や政治参加のあり方は良くも悪くも(私見ではより悪く)SNSやオンラインと整合性が高いとも考えられるのだ。

だから本書もまた、ぼくは戦時下の「協働する文化工作」をめぐる諸相を「現在」への極めてベタな批評として語ることにする。

(序章 協働する「文化工作」)

【主な内容】

序 章 協働する「文化工作」
第一章 「外地」の「翼賛一家」──戦時下華北地方・日本統治朝鮮の事例を中心に
第二章 満蒙開拓青少年義勇軍と田河水泡・阪本牙城のまんが教室
第三章 上海の文化工作者たち──“女スパイ"と芥川賞作家と偽装映画制作者
第四章 大東亜共栄圏とユビキタス的情報空間

【著者略歴】
大塚 英志(おおつか えいじ)
1958年生まれ。まんが原作者、批評家。国際日本文化研究センター教授。
著書に『物語消費論』(星海社新書)、『「暮し」のファシズム 』(筑摩選書)、『大政翼賛会のメディアミックス』(平凡社)、『感情化する社会』(太田出版)など多数。まんが原作に『黒鷺死体宅配便』、『八雲百怪』、『クウデタア』『恋する民俗学者』(いずれもKADOKAWA)など多数。

内容説明

「クールジャパン」に象徴される、各国が競い合うようにおこなっている文化輸出政策。保守政治家の支持基盤になっている陰謀論者。政党がメディアや支持者を動員しておこなうSNS工作。これらの起源は戦時下、大政翼賛会がまんがや映画、小説、アニメを用いておこなったアジアの国々への国家喧伝に見出せる。宣伝物として利用される作品を創作者たちが積極的に創り、読者や受け手を戦争に動員する。その計画の内実と、大東亜共栄圏の形成のために遂行された、官民協働の文化工作の全貌を詳らかにしていく。

目次

序章 協働する「文化工作」
第1章 「外地」の「翼賛一家」―戦時下華北地方・日本統治朝鮮の事例を中心に(共栄圏に発信されるキャラクター;「翼賛一家」とはどのような国家宣伝企画だったのか ほか)
第2章 満蒙開拓青少年義勇軍と田河水泡・阪本牙城のまんが教室(プロもアマチュアも動員される;「文化工作」としての外地まんが教室 ほか)
第3章 上海の文化工作者たち―“女スパイ”と芥川賞作家と偽装映画製作者(公然化する文化工作者たち;上海映画工作者と美しき女スパイたち ほか)
第4章 大東亜共栄圏とユビキタス的情報空間―アニメ『桃太郎 海の神兵』と柳田國男(ステルス化するメディアミックス;柳田國男と桃太郎南方政策 ほか)

著者等紹介

大塚英志[オオツカエイジ]
1958年生まれ。批評家、まんが原作者。国際日本文化研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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keroppi

73
戦時中のプロパガンダである漫画、アニメ、映画の数々。さらに、官民、プロとアマチュアを越えた戦意高揚の協働から生まれた創作物。戦時下のファシズムはこうした参加型の文化創造運動の面があるという。手塚治虫のデビュー前の作品「勝利の日まで」も取り上げている。手塚治虫にして、この当時、そう考えていたのだ。こういう状況下では、『まんがは結局は戦争という「現実」を書き得ず、何か愉快で楽しいものに転化する役割を果たす。』戦後は、戦争を追求する幾多の傑作漫画が生まれているのだが。2022/06/23

ひろ

2
学生の頃左派の教授の講義を受けたとき、折々に参照されるバルトやマクルーハンのテクストには多大な示唆を受けたが、教授自身の論理展開に一貫性を感じず学びを得られなかった、そんな記憶を呼び覚ます本だった。戦時下にプロパガンダがあったこと、それを展開した人物がいたこと、同時代の作品は相互に参照され類似する表現が見られること、いずれも当たり前というか、だから何だという気持ちになる。2023/05/26

kana0202

2
新書にしては本格的だと思ったら、別に発表された論文集だった。こういう本格的なものが新書ででることはイイことだ。マンガやアニメ文学がどのようにプロパガンダを形成していたか、一つずつの作品を見るだけでなく様々な作品に共通して現れるモチーフや言葉を全面的にみていくことでわかることがある。相互に補完し、引用しあいながら形成される情報空間こそがいちばんおそろしい、と。メディアミックスという言葉では捉えきれないような次元を思考しながらでないと捉えられない戦時下の大衆文化形成がよくわかった。2022/07/15

Aby

2
太平洋戦争期のプロパガンダ.戦地と銃後,外地と内地,プロとアマ,官民協働の総力戦.マンガ,映画,文芸はもちろん,新聞広告などを含んだユビキタス展開.連呼されているようなものだが,今だからこそ,怪しいと感じるのだろう.大流行との違いを見分けないと.2022/06/30

onepei

2
共有させるために協働しようとした2022/06/05

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