内容説明
社会は大きく変わっているのに学校教育は昔のまま。このことに不安と不満を持っている保護者は多い。海外も昔は日本と同じく「知識詰め込み型」だったが、今は時代とテクノロジーに合わせた変化・進化が始まっている。それを見るのに最適なのが、世界の教育法が集まっているマレーシアだ。現地で教育関連の取材を続ける著者が、各種教育や最新カリキュラムの紹介から、これからの学校と教師の存在意義、親子関係のあり方など、日本人に選択肢を提示する。子どもが自ら学びたいものを発見し選んでいく時代に、保護者はどのような態度で臨めばいいのか?
目次
第1章 日本の教育は今のままで大丈夫なのか
第2章 世界の教育にある大きな二つの流れ
第3章 「四つのC」を現場ではどう教えているのか
第4章 増え続ける独学者とSTEM教育
第5章 マレーシアと日本から見る国際教育の現場
終章 誰にでも合う完全な教育は存在しない
著者等紹介
野本響子[ノモトキョウコ]
早稲田大学卒業後、保険会社を経てアスキーで編集に携わる。フリー編集者を経験後にマレーシアに滞在し、現在はnoteなどで同国の生活や教育情報を発信(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きみたけ
63
著者はマレーシアに滞在しnoteなどで同国の教育情報を発信している野本響子さん。日本の教育と世界の教育の違い、海外で行われている「新しい教育」の現場の実際や、自学する生徒たちの学習方法などを共有しながら「教育の選択肢」を紹介した本。マレーシアにおけるホームスクールの充実がうらやましいです。また、選択肢の多さにも驚きました。IB、インターナショナルスクールの英国式、米国式、オーストラリア式など。「自分がいかに無知か」「知ることがどれくらい難しいか」を学び、「正解が決まらない不安定さ」に慣れることがポイント。2023/04/08
よっち
24
海外も昔は日本と同じく「知識詰め込み型」だったが、今は時代とテクノロジーに合わせた変化・進化が始まっている。マレーシアを事例に多種多様な選択肢の可能性を提示する一冊。マレーシアで教育関連の取材を続ける著者が、各種教育や最新カリュキュラムの紹介のみならず、これからの学校と教師の存在意義、親子関係のあり方などを紹介する一冊で、そのギャップを考えると日本の教育をすぐに変えるのは簡単ではないかもしれませんが、見守る親の側も過去の固定概念に囚われて否定するのではない、柔軟な姿勢が重要になってくるかもしれないですね。2022/03/29
はる
10
日本の公立小では窮屈そうにしていた著者のお子さんがマレーシアのインターでは生き生き過ごされているよう。そしてマレーシアでは一つの学校が合わなければやめて転校するというのも一般的で、ホームスクーリングも多いと。過熱する受験競争はどこまで行ってしまうのか。様々な教育の選択肢が増えてきて段々偏差値ありきの学歴社会も変わっていくのだろうか。学びは生涯。大人がマイペースでも学び続ける姿勢を見せたいものですね。2022/05/13
shimashimaon
8
著者はVoicyでちきりん氏の次にフォローしたパーソナリティさんです。日本の学校に合わなかった長男を連れてマレーシアに移住し、そこで教育を受けさせた経験を語っています。私は残念ながら子育てをすることはありませんでしたが、東南アジアに滞在したこともあり興味深く配信を聴いています。表題のような素晴らしい時代の到来のために、社会も謙虚に学び直し変わることも必要と言っています。私もその社会の構成員として教育というものに何らか関わり貢献したいという気持ちがあります。大人も学び続ける時代には、わくわくしか感じません。2023/12/11
すみけん
8
マレーシアの教育事情をベースに、これからの学校の在り方、教育の方向性を示唆。「四つのC」の大切さ、マレーシアの選べる教育などを読むと、いかに日本の教育が旧態依然であり、世界から遅れをとっているかがわかる。ただ、この人の書き方の中に「お金さえあれば」と前置きがあるのがなぁ。結局のところ経済格差がなくならない限り、子どもか教育を選べる世の中にはならない。2022/03/18