出版社内容情報
我が子の「教育」が苦しい――それはあなた一人の責任ではない。
「クラス全員を企業家に育てる」教育にNOと言おう!
どうやら企業人や政治家、官僚たちは、日本の経済的低迷を教育で挽回しようとしているようだ。
まるで、「最小限のコストで最大限の商品(人材)を納品しろ」と言わんばかりである。
そんな社会を生きる私たちの子育て――とりわけ教育は、じつに悩ましい。
なぜこんなにも苦しいのか。
しかし本書は、「それはあなた一人の責任ではない」と説く。
これは社会全体の問題なのだ。
では、どうすればいいのか。
本書は、明治時代から現在に至るまでの教育の歴史を振り返りながら、私たちが教育に期待すべきこと、そしてその実践の方法を試みる。
これは教育学からの反抗であり、絶望に包まれた教育に対する、たしかな希望の書となるだろう。
【目次】
第1章 教育家族は「適応」する
第2章 教育に期待しすぎないで
第3章 教育に世界(コンテンツ)を取り戻す
第4章 そして社会と出会う、ただし別の仕方で
子育てに、教育、わたしたちの悩みは尽きない。
それは時につらく苦しい。
しかしもっと苦しいのは、「この苦しみは自己責任だ」と思ってしまうことだ。
そうではない。
子育ての悩みは、この社会が本書で述べてきたようにあることの結果としてある。
教育を失敗するや否や、子どもと家族がまともな暮らしができなくなるとすれば、それは社会の欠陥なのだ。
(本文より)
内容説明
どうやら企業人や政治家、官僚たちは、日本社会の低迷を教育で挽回しようとしているようだ。まるで、「最小限のコストで最高の商品(人材)を納品しろ」と言わんばかりである。そんな社会を生きる私たちの子育てや教育は、じつに悩ましい。なぜこんなにも苦しいのか。それはあなた一人の責任ではない。社会全体の問題なのだ。明治時代から現在に至るまでの教育の歴史を振り返りながら、私たちが教育に期待すべきこと、そしてその実践の方法を試みる。
目次
第1章 教育家族は「適応」する(教育家族の来し方;教育家族の中心で;こちらの苦悩、あちらの理不尽;これは教育の問題なのか?)
第2章 教育に期待しすぎないで(教育依存/学校不信;コンピテンシー;教育的な、あまりに教育的な;救世の「小さな企業家」)
第3章 教育に世界を取り戻す(教育思想の高みから;教育のタスク・フォーカス;世界とともに在りますように)
第4章 そして社会と出会う、ただし別の仕方で(反社会性の不可能性?;教育(学)の消費社会論的転回)
著者等紹介
神代健彦[クマシロタケヒコ]
1981年生まれ。教育学者。京都教育大学教育学部准教授、教育科学研究会常任委員。研究テーマは、戦後日本の教育学史、道徳教育の理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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