集英社新書<br> 出生前診断の現場から―専門医が考える「命の選択」

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集英社新書
出生前診断の現場から―専門医が考える「命の選択」

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  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087211122
  • NDC分類 495.6
  • Cコード C0247

出版社内容情報

「胎児の異常がわかったら、あなたはどうする?」

大宅壮一ノンフィクション賞『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』著者、河合香織氏推薦!

採血だけでダウン症等の染色体異常がわかる「新型出生前診断(NIPT)」は、2013年の開始以来、急速に普及しているが、そこには多くの問題も指摘されている。
NIPTとはどういう検査で、妊婦は何を判断し、結果に備えればよいのか。
出生前診断の「現場」に関わり、最先端研究者でもある著者が、詳しい情報を伝えるとともに、「命の選択」の本質を考える。

【目次より】
・いわゆる「高齢妊娠」について
・上の子が染色体疾患の病気だったとき
・超音波検査で異常を指摘されたとき
・検査の原理と精度
・遺伝カウンセリングとはなにか
・リスクの客観的評価
・産む・産まないという選択と検査を受けないという選択
・出生前診断の倫理的問題
・胎児遺伝子診断の現在と未来

【著者プロフィール】
室月淳(むろつき・じゅん)
1960年岩手県生まれ。東北大学医学部卒業後に東北大学産婦人科に入局。
カナダ・ウェスタンオンタリオ大学ローソン研究所に3年間留学し、国立仙台医療センター産婦人科医長、岩手医科大学産婦人科講師などを経て、現在は宮城県立こども病院産科科長。
東北大学大学院医学系研究科先進成育医学講座胎児医学分野教授を併任。

内容説明

晩婚化にともない出産の高齢化が進む中、「出生前診断」を希望する妊婦が増えている。流産リスクがある羊水検査とは異なり、採血だけでダウン症等の染色体異常がわかる「新型出生前診断」(NIPT)が二〇一三年に開始されたが、そもそもNIPTとはどういう検査で、妊婦は何を判断し結果に備えればよいのか。そして医療テクノロジーの最前線はどうなっているのか。出生前診断の「現場」に長年関わり最先端研究者でもある著者が、出生前診断を受けるかどうか迷う妊婦に正しい情報を伝え、同時に「命の選択」の本質を考える。

目次

第1章 出生前診断を知りたいあなたに(出生前診断を受ける前に知っておくべきこと;新型出生前診断(NIPT)を受けるまで)
第2章 検査に迷うとき(検査を受ける前にもう一歩踏みこんで考える;自分で決めるということ;遺伝カウンセリングにある限界;出生前診断と選択的人工妊娠中絶)
第3章 出生前診断の過去と現在(出生前診断の歴史を振りかえる;NIPTのこれまでとこれから;これから導入される新しい出生前診断)
終章 わたしたちはどこにいくのか(パーフェクトベビーをめざして;自由はどこまで可能か;それをお金で買いますか?;「見る前に跳べ」)

著者等紹介

室月淳[ムロツキジュン]
1960年、岩手県生まれ。東北大学医学部卒業後に東北大学医学部産婦人科に入局。カナダ・ウェスタンオンタリオ大学ローソン研究所に三年間留学し、国立仙台医療センター産婦人科医長、岩手医科大学産婦人科講師などを経て、現在は宮城県立こども病院産科科長。東北大学大学院医学系研究科先進成育医学講座胎児医学分野教授を併任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

37
現役の医師が出生前診断の現状と問題を解説。母体から採血して胎児の染色体の病気の有無を調べる「NIPT」。手軽ゆえ検査を受ける敷居は下がると予測。一方、新しい診断の技術を応用すれば健康で優秀な胎児を出生前に造り出すことも可能に。平等の概念そのものが揺らぐ未来を懸念します。 不安の中身をあらかじめ知ることが果たして正しいと言い切れるのか。自己決定が原理的に選択の正しさを保証するわけではないが、他の誰でもない自分自身で決めることは間違いなく自分の生を生きることになる。医療と倫理の間で揺れ動く心情を吐露します。2020/03/05

ステビア

23
色々と倫理的問題はあるし安易に解決できるようなものでもない2021/11/07

KIO

10
出世前診断の現在を知るのには、読みやすくわかりやすいのでとてもよい本だと思います。テレビや新聞、本のおかげで出生前診断の技術が進んでいることはなんとなく知っていました。知っている方が遺伝的な課題を持っているお子さんを授かったと聞きいたとき、その技術は普及していないのかなどと思いました。この本を読んだおかげで、現在の状況もわかりましたし、科学の進歩も知ることが出来ました。 2020/05/08

マイケル

7
出生前診断を優生思想と絡めて説明した良書。胎児の病気診断だったものが、男女産み分け、遺伝検査、ヒト胚選別と 滑りやすい坂道落ちる危険。遺伝上高確率で乳がんになる可能性のあるアンジェリーナ・ジョリーは生まれない、血友病など病気遺伝子を持つ女性が結婚できないなんてことに? 金持ちではデザイナーベビーが当たり前になり、スクリーニンググループと非スクリーニンググループに分断、「ガタカ」がSFでなくなる?「選べなかった命:河合香織」、「完全な人間を目指さなくてもよい理由:M・J・サンデル」と合わせて読む事をお勧め。2020/03/06

Bear

4
出生前診断について知りたくてたくて本書をよみました。出生前診断についてNITPや羊水検査について詳しく書かれています。出生前診断の本質は選択的中絶。それは自分たちだけのため。いくら情報を集めても正しい選択なんてできない。後悔のない選択なんてできない。自分で決めて前に進むこと。いかに充実した生を生きることが大切。もし迷っているのならば「見るまえに産め」2021/10/26

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