集英社新書<br> したがるオスと嫌がるメスの生物学―昆虫学者が明かす「愛」の限界

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集英社新書
したがるオスと嫌がるメスの生物学―昆虫学者が明かす「愛」の限界

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087210217
  • NDC分類 486.1
  • Cコード C0245

出版社内容情報

生物学で最も熱いテーマ「性的対立」研究の第一人者が、「精子をばら撒きたいオス」と「良質な精子を厳選したいメス」、双方の繁殖戦略の違いによって生じる「対抗進化」の驚くべき最新知見を披露する。




宮竹 貴久[ミヤタケタカヒサ]
著・文・その他

内容説明

近年、世界中で新発見が相次ぎ、進化生物学界で論文が急増中のテーマ「性的対立」。この分野の国内第一人者である昆虫学者が、四半世紀以上の長きにわたる自身の研究成果を紹介しながら、進化生物学の初歩から驚きの最新知見までを明らかにする。より多くの精子をより効率的にばら撒きたいオスと、より質の良い精子を厳選したいメス。そんな繁殖戦略の違いによって生じる「性的対立」と「対抗進化」の世界を、著者は昆虫学の目で問い直す。受精、つまり“愛の成就”に最も重要な決まり手とは何か。われわれ人類の求愛行動への示唆にも富んだ、目から鱗が落ちる一冊。

目次

第1章 ドーパミンが生き方と求愛を決める
第2章 がんばるオス
第3章 オスががんばるとメスはどうなってしまうのか?
第4章 そして「性的対立」が生じる
第5章 愛の最終決定権を握っているのはメスである
第6章 愛はタイミングで決まる
第7章 オスとメスの決別
終章 性的対立とは何か?

著者等紹介

宮竹貴久[ミヤタケタカヒサ]
1962年、大阪府生まれ。岡山大学大学院環境生命科学研究科教授。理学博士(九州大学大学院理学研究院生物学科)。ロンドン大学(UCL)生物学部客員研究員を経て現職。Society for the Study of Evolution,Animal Behavior Society終身会員。受賞歴に日本生態学会宮地賞、日本応用動物昆虫学会賞、日本動物行動学会日高賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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香菜子(かなこ・Kanako)

18
したがるオスと嫌がるメスの生物学。宮竹貴久先生の著書。男と女、オスとメスとの闘いや生存競争は、人間でも昆虫でも同じなのかも。宮竹貴久先生の研究者としての昆虫の生殖行動の研究にかける情熱が伝わってくる良書です。宮竹貴久先生の素敵な研究者が子供向けに講義をしてくれたら、理科好きの子供がきっと増えるのではと思います。2018/07/29

ATS

14
昆虫の生態を長らく研究してきた著者の性的対立などの進化生物学についての本。著者自身の研究や世界中の知見などをもとに書かれている。専門用語も出てくるが平易に書かれており可読性は高い。『ダーウィンの覗き穴』を読む前に読んでおくほうがいいかな。生物が協調的に進化するか(ランナウェイ共進化)、対立的に進化するか(拮抗的共進化)の判別はメスにとって交尾をすることが得するか損するかの一点に尽きるというのはわかりやすかった。生き物は遺伝子を運ぶ容器に過ぎないがそこで煩悶するのが人間なんだろう。無慈悲だ笑2022/01/20

ともブン

12
昆虫に魅せられた著者。仮説を立て、実験方法を設計し、ひたすら地道な実験を繰り返しながら結果を得て、そこから次の仮説・実験へと繋げてゆく。研究生活がどういったものなのかを垣間見ることができ、本論とともに興味深く読むことができた。  本題。一見単純な性行動によって繁殖していると思っていた虫にも、それぞれ好みの異性やライバルがいて、出し抜くために様々な体の進化や戦略を身につけている。性選択と性的対立が複雑に絡み合う愛の形。モラルを持たない昆虫から多くのことを学ぶことができた。超良書!2021/09/28

FuSa

12
タイトル、煽りだと思った?いやいやまさか、中身の方がえげつないから。 研究者の愛が存分に伝わってきます。とーっても面白い。昆虫の交尾行動の研究から進化的な話に発展し、さらには研究の意義、大学の存在について等、話題は多岐に渡ります。虫の写真が苦手でなければ、オススメの一冊です。 2018年ランキング本棚に追加。2018/05/05

クサバナリスト

11
タイトル以上に面白い。性的対立、セクシャル・コンフリクト、愛の最終決定権を握っているのはメス、ブルース効果、とても興味をひかれる内容だった。2021/05/15

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