集英社新書<br> 我関わる、ゆえに我あり―地球システム論と文明

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集英社新書
我関わる、ゆえに我あり―地球システム論と文明

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087206319
  • NDC分類 450.4
  • Cコード C0210

出版社内容情報

宇宙から地球を見れば、人類の課題が見える!
惑星科学の第一人者である松井教授の地球論・人間論の決定版! 辺境(宇宙)から世界を見つめ直すことこそが、大震災以降混迷する人類の未来を照らすと説き、独自の「チキュウ学」を提唱する!

内容説明

地球を俯瞰すれば人間が分かる。惑星物理学の第一人者が、宇宙からの視点で人類の緊急課題を解明する。

目次

第1章 地球を俯瞰する視点(内からの視点では世界は語れない;月の石が教えてくれたもの;地球はシステムである;地球システム論で文明を定義する)
第2章 文明の変貌と人間論(ゴーギャンはなぜ文明を問うたのか;宇宙観はいかにして変化したか;歴史観を変えた放射性元素の発見;科学の発見は人類に何を及ぼしたのか;「神のつくりし世界」vs「人間世界」;観念的な人間論からの脱却;源デイ哲学はいかにして生まれたか)
第3章 「内部モデル」という宇宙(人と自然を結ぶ認識のメカニズム;内部モデルはいかに共有されるのか;哲学的人間論とは認識論である;科学はなぜ全体を問えないのか;我は外界との関わりの中でつくられる)
第4章 人間圏の未来(「分かる」から「納得する」へ;地球学的人間論を前提として;「均質化」は何を意味するのか;なぜ「拡大」が問題なのか;「3.11」と人間圏の創造;我々は「自然」を知り得たか)
第5章 普遍を探る者として(我々は宇宙をどこまで知り得たのか;我々は地球をどこまで知り得たのか;科学はまだ生命を定義できていない)

著者等紹介

松井孝典[マツイタカフミ]
1946年生まれ。東京大学理学部卒業、同大学院理学系研究科博士課程修了。専攻は地球惑星物理学。NASA客員研究員、マサチューセッツ工科大学招聘科学者、マックスプランク化学研究所客員教授、東京大学大学院教授を経て同大学名誉教授。2009年4月より千葉工業大学惑星探査研究センター所長。行政刷新会議民間議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

46
表題はもちろん近代科学の幕を上げたデカルトのもじり、いや新たなデカルトたらんとする大胆な宣言。はたまた地球惑星学者による大言壮語か。いたってまじめな文明論で、137億年間の宇宙の歴史と410億光年の宇宙の空間の視点からこれまでの哲学と国家論と人類学を超えた新たな文明論を構築しようとしている。しかし優しい語り口ですらすら読めるのだが、あまりに話が大きすぎて途方に暮れる。しかし地球温暖化とか人類の滅亡(終末論)とかが些細なことにされ、人類のこれまでの進歩がここまで肯定されると、それはそれで爽快だ。 2016/05/14

Francis

14
タイトルはもちろんデカルトの名言「我思う、ゆえに我あり」を意識している。他のレビューの方はあまりご存じないようだが、第1章の記述は著者のお師匠竹内均先生が編集長を努めていたNewtonを昔よく読んでいたので懐かしく読めた。第2章以降は著者の地球システム論を踏まえた著者の人間論が展開される。結局松井先生は物事を極限まで追求する近代科学の申し子なのね。しかしその近代科学の発展が今の人類と地球の危機を招いているわけで、ではどうしたらいいのか?「あえて物事を追求しない」と言うのもありではなかろうか。2018/04/13

たー

12
科学的文明論、科学的人間論の入口って感じか?「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」今まで哲学の本とかを(それほど多くないけど)読んで、あまりしっくりこなかったことの答えにつながる道が見えたような気がした。2012/03/21

みのくま

11
宇宙的視座で人類文明を考える事こそ本質を捉える事ができる。人類は、農耕を始める事で地球システムの「生物圏」から「人間圏」に分化し、産業革命以降は地球システムの「駆動力」をも手に入れた。そして現代、この人類文明は人口爆発や環境問題で行き詰まりをみせている。持続可能な世界の必要性が叫ばれる中、著者は問う。そもそも人類は、持続可能な人間圏をつくりたかったのか。何億年も種が持続している微生物は沢山いる。ぼくは、著者は言外に「宇宙的視座では滅びは避けられず、そしてそれも大した事はない。」と言っているような気がする。2017/09/30

里愛乍

8
生物圏から分化した人間圏という概念は興味深い。さらには地球システムを超えているという点も。このまま拡大続けて一体どこへ行こうとしているのか、今一度考えてみたい。2014/05/23

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