出版社内容情報
本当にダンダラ羽織を着ていたのか?
小説やテレビ、映画、ゲームなどで描かれる新選組の姿は、どこまで事実なのか。脱走した隊士は、皆、切腹させられたのか。確実な史料のみを用い、実証的に新選組の実像を明らかにする、新たな決定版。
内容説明
新選組は根強い人気を誇り、さまざまなメディアで今も繰り返し取り上げられている。そこでは、ある一定の新選組像ができあがっている。だが、一般に新選組に付与されているイメージは、どこまでが史実なのだろう。新選組は本当にダンダラ羽織を着ていたのだろうか。「誠」と書かれた旗を掲げていたのだろうか。厳しい局中法度により、脱走隊士は皆切腹させられたのだろうか―。幕末維新史の専門家が、確実な史料のみを用い、新選組の真の姿を明らかにする。
目次
1 ダンダラ羽織の誕生と寿命(壬生浪士組;鴻池の二百両 ほか)
2 乱立する「誠」の隊旗(隊旗のデビュー;「誠忠」の文字 ほか)
3 「局中法度」への疑問(「局中法度書」とは;「局中法度書」の出現 ほか)
4 脱走隊士の生と死(入隊資格;除隊制度 ほか)
5 新選組高給伝説の真偽(一両の価値;坂本龍馬の証言 ほか)
著者等紹介
菊地明[キクチアキラ]
1951年東京都生まれ。幕末維新史研究家。日本大学芸術学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
80
面白かったです。新選組の通説とされてきたことにバッサリとメスを入れているのが興味深いところでした。小説やテレビなどの新選組像は果たしてどこまで史実のものなのか。脱走隊士の切腹は絶対だったのかなど様々な事柄を1つ1つ丁寧に解き明かし、わかりやすく説明されているので、新選組のイメージが本来の実像に近くなったような気がします。新常識とはいえ、フィクションで描かれているものと異なる程度なので、詳しい人には少し物足りないかもしれません。史料についての説明ももう少し欲しかったところです。2016/06/07
Die-Go
52
図書館本。新選組に秘められた謎を読み解く。と言うと若干大げさだが、・ダンダラ羽織の件 ・隊旗について ・局中法度について ・脱走隊士について ・給料について、と新選組について"ちょっと"気になる点を掘り下げている。分量的には物足りないけど、様々な文献を基に冷静な考察がなされているし、読みやすかった。★★★★☆2018/01/24
金吾
31
新撰組で常識になっていることを検証しています。文献を示しながら検証していますので、納得できます。隊旗、脱走兵士、給料の話は面白かったです。2024/01/06
maito/まいと
24
あの羽織が着用されていたのは一時的?きちんと申請したら除隊は可能?幹部高給取りはウソ!、などなど新撰組にまつわる“通説”をばっさり真偽検証した一冊。新撰組を初めとした幕末研究著書を数多く手がけている菊地さんだけあって、非常に数多くの史料を検証したことが覗える。そのおかげで、論証込みの説明に説得力があり、新撰組に対するイメージが実態に近づいた気になる。強いて言えばポイントになる史料の信憑性や、その史料の紹介をもっと盛り込んで欲しかったが、この文量でそこまで入れるのは酷というものか。2014/04/25
えみ
8
【再読】新選組のダンダラ羽織。誠の隊旗。局中法度。脱走隊士。給料について。ひとつひとつの疑問点を読み解いて、分かりやすく説明されていた。特に脱走隊士のあれこれは比較できて面白かった。2017/06/02