出版社内容情報
私たちは、誰に騙されてきたのか?
原発震災に警鐘を鳴らし続けてきた作家とルポライターが、今日の破局を招いた原発・原子力関係者たちの罪状を「実名」で告発。我々が直面している危機の正体が、この一冊で明らかになる!
内容説明
いまだ収束への見通しがたたない福島第一原発事故。根拠なき安全・安心神話を振り撤き、リスクと利権を天秤にかけて後者を選択した「原子力関係者」たちの所業が招いた「人災」は、いまも被害を拡大し、汚染を進行させ、人々の暮らしを破壊している。原発震災の危機をかねてから予測し、警鐘を鳴らし続けてきた作家とルポライターが、事故を招いた構造とその責任の所在を、徹底的に白日の下にさらす。
目次
第1章 今ここにある危機(命より電気のほうが大事なのか;本当にこわいことはメディアに出ない;汚染水は東電の本社に保管させろ ほか)
第2章 原発事故の責任者たちを糾弾する(安全デマを振りまいた御用学者たち;原子力マフィアによる政官産学のシンジケート構造;原子力マフィアの実権を握る東大学閥 ほか)
第3章 私たちが知るべきこと、考えるべきこと(監視の眼を怠るな;原発がなくても停電はしない;独立系発電事業者だけでも電気は足りる ほか)
著者等紹介
広瀬隆[ヒロセタカシ]
1943年生まれ。作家
明石昇二郎[アカシショウジロウ]
1962年生まれ。ルポライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
72
原発推進派の人たち、全国の電力会社、大学の御用学者、マスコミ、政治家、原子力保安院、原子力規制委員会等、政府関連機関での実名を挙げて批判する。皆、連なっていて、原発推進する事で、自分たちの利益を守って行こうとする。毎夏のように言われる、電力不足、「だから原発は必要」とは、どうやら茶番劇のようだ。2023/09/19
♡♡♡
38
あかん。あかんすぎる。脱原発!!!!国の情報も報道も信じてはいけない。原発がなくても電力は十分にたりるし停電にもならない。計画停電なんてして、あたかも電力が足りてないように思わせているのはプロパガンダ。原発利権に絡む人達に騙されてはいけない。青森に地震が起きて六ヶ所再処理工場がやられたら、日本も世界も終わりだ。そういえば地震が起きたときの東電のお偉いさんたちは皆、家族もろともアメリカに移住していった。どれだけ東京も被爆しているか、おしてはかるべし。2014/11/25
AICHAN
30
図書館本。広瀬隆氏と明石昇二郎氏の対談をまとめたもの。福島第一原発事故の責任者とマスコミを痛烈に批判している。私も両氏の見方に同意したい。一時は糸井重里と原子核物理学者の共著『知ろうとすること。』を読んで迷いが生じた。糸井氏らは福島県内での子供の被曝調査を行い、予想外に被害が少なかったことを報告しているのだ。だとしたら騒ぐことは控えるべきだとも思っていた。そんなときこの本を手にした。読んで「やはりフクシマは危ない」と思い直した。素人目で見てもとんでもないことになっているとしか思えないのだ。2016/06/15
Gatsby
24
「福島原発メルトダウン」に続いて、広瀬隆氏の本。これは、ルポライターの明石昇二郎氏との対談本である。二人ともかなり手厳しい批判を原発推進者に投げかけているが、本書にもあるとおり、テレビでは伝えてくれない内容を知ることができる点で、読んで良かったと思う。二人とも少しヒートアップ気味ではあるが、人の命がかかっている今、確かにいい加減な姿勢でいい加減な言い逃れをしている人が多いと思う。原発安全論者(本書では「原子力マフィア」と呼ばれている)は、本書に対しても、説得力のある反論をしてほしい。なぜ安全と言えるのか?2011/07/23
すぱちゃん
18
読んでいるうちに、何故か涙が溢れてくる。なんの涙だろう。そうだ、これは悔し涙、怒りの涙である。国、そして原子力マフィアは国民の生活、生業、命を軽視して、多大なお金(しかも、それは我々の支払った電気代)をかけて、我々を騙す宣伝を行い、悪質な御用学者を雇って、あたかも原発が安全であるかのごときデマを流す。とんでもない奴らだ。本書では広瀬隆と明石昇二郎が、原子力マフィアの各々の実名を公表しながら、フクシマを含む原発の今後も続く危険性を暴露。なかったことには出来ない事柄ばかりだ。それで涙が出たのだ。命がけの暴露本2020/03/07