集英社新書<br> 二畳で豊かに住む

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集英社新書
二畳で豊かに住む

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  • サイズ 新書判/ページ数 197p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087205855
  • NDC分類 527
  • Cコード C0252

出版社内容情報

日本には狭い空間で豊かに暮らす知恵がある
「ウサギ小屋」とも揶揄される狭い日本の住宅事情だが、夏目漱石や内田百けん、高村光太郎などは、二畳や三畳で豊かな生活を送っていた。豊富な事例から、日本人の「住」とは何かを問い直す。

内容説明

かつてウサギ小屋などと海外から揶揄されたように、日本の住宅事情は劣悪だとされている。だが夏目漱石や内田百〓(けん)、高村光太郎など極小の空間を楽しみながら住んだ先人たちをみると、広さのみが豊かさに通じるとは言えないのではないか。本書は、究極の住居の実例を示し、住むことの根源を考えてみようとするものである。狭い住居の工夫を知って身の丈の生活の意味を再検討する。

目次

はじめに―狭いながらも豊かな空間
第1章 内田百〓(けん)、二畳に夫婦で住む―作家が語る小屋生活
第2章 高村光太郎の山小屋―雪深い里で詩作にはげむ
第3章 永井隆の二畳の如己堂―原爆の町で平和を求めて
第4章 多摩川渡船場二畳の小屋―氾濫したら持ち運ぶ
第5章 夏目漱石・中村是公、二人の二畳の下宿―予備門時代を語る漱石
第6章 正岡子規の病床六尺―ふとん一枚、これが我が世界
第7章 四国、村はずれのお茶堂―遍路たちの一夜の宿
第8章 建築家提案の最小限住居―極小空間の特色
おわりに―狭いながらも楽しい我が家

著者等紹介

西和夫[ニシカズオ]
1938年東京都生まれ。東京工業大学大学院博士課程修了。神奈川大学名誉教授。日本建築史専攻。歴史・民俗・美術史と学際的な交流を続け、長野市松代町・島根県江津市・山形県長井市などの町並み調査と町づくりを行う。1983年日本建築学会賞、1993年、千野香織との共著『フィクションとしての絵画』で小泉八雲賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

34
「狭いながらも楽しい我が家」これは死語だろうか。単身世帯が爆発的に増えている今は、「狭い」と「楽しい」が切り離されたように思える。かつての、貧乏だけど家族が寄り添うように暮らしていた生活は、楽しさ=豊かさがあったと思う。私も昭和30年代から40年代にかけて、家族5人の狭い団地暮らしでそれを経験したからよく分かる。内田百聞や高村光太郎は、狭さのなかに積極的に豊かさを求めて楽しんでいるから、これは恵まれた人の粋な酔狂にも見て取れなくもない。しかし、貧富格差が住環境を決めかねない今はどうだろうか。⇒2023/07/22

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

24
はじめの、百けん先生が戦中焼け出されて住んでいた3畳の掘っ立て小屋(うち、1畳が物入れ)の話から始まったので、作家が住んだ狭小住居の話かと思っていたら、船頭さんや、お遍路さんの休憩所などの話になったので、少し期待外れでした。それでも、主体性を持って狭い家をどう住みこなすかというテーマは、テレビのお家紹介番組などで、こんな広い家は掃除が大変だから住みたくない……無駄に広すぎる…などと考えてしまう私のような人間には興味深いものでした。2015/05/16

Tadashi_N

19
積極的な狭小住宅暮らしには知恵がいる2015/04/03

クラムボン

18
内田百閒のエピソードから始まる。空襲で焼け出され、二畳間に一畳分の吊り棚付きの小屋に夫婦で住むのだが…。百閒の日記と写真からユニークな生活ぶりが伺える。3年住んだ、大したもんだ。そして夏目漱石は友人の中村是公と二畳間で相部屋。大学予備門の頃、江東義塾の寄宿舎で住み込み講師だった。「永日小品」で語られているそうだ。だが最も豊かに住んだのは正岡子規だ。東京根岸の子規庵で母と妹と住む 。河東碧梧桐の書いた丹念な間取図や写真、そして「病床六尺」「仰臥漫録」などから、蒲団一枚の中で見事に住みきったことがわかる。2021/12/30

ikedama99

6
図書館から借りて読んだ。狭い部屋だから×だ、ということはないということを感じたりもしていた(大学時代の4畳半は、心中では充実した空間だった)ので、読んでみると面白かった。内田百けんの住まいは、以前に日記で読んでいた場所なので、ようやくつながった。お遍路さんの宿は興味深かった。2016/07/22

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