内容説明
在日華人、中南米系移民…。「在日外国人」と呼ばれる人々は、いまや在日韓国・朝鮮人だけではない。一九九〇年代以降、急速に増加した世界各地からの移民によって、日本はにわかに多民族社会化の道を歩んでいる。政府による外国人参政権を巡る議論はそうした状況を鑑みた結果とも言えるが、一方では新たな排外主義も台頭しつつある。本書では、いまや二二二万人に達した在日外国人の現状をルポルタージュしながら、欧米の状況との比較も踏まえつつ、望ましい多文化共生の道筋を探る。
目次
第1章 身近な在日外国人(国籍を超えて;外国人の街;多民族化への潮流)
第2章 異国に刻む歴史(韓国・朝鮮人の軌跡;他郷に根を張る華僑;ニューカマーの増加)
第3章 狭間に生きる人々(日系ブラジル人少年殺人事件;過酷な労働;奴隷制のごとき研修・技能実習制度;オーバーステイほ慟哭;命を懸ける難民の道;DVに苦しむ女性たち;地方参政権は住民としての権利;テロ防止の名のもとに;管理体制の強化)
第4章 教育の現場にて(民族の心を育む外国人学校;多民族の子が机を並べる国際学校;日系人の子が通う学校;公立学校のなかの民族学級)
第5章 多民族多文化共生に向けて(国際条約の精神;移民国家アメリカ;ヨーロッパの二面政策;オーストラリアの再生;日本に必要なグランドデザイン;多文化主義国家・カナダ)
著者等紹介
高賛侑[コウチャニュウ]
1947年生まれ。朝鮮大学校政治経済学部卒業。朝鮮関係月刊誌「ミレ(未来)」編集長を経て、ノンフィクション作家に。国際高麗学会会員。専門は在日を含む在外朝鮮民族問題。99年、『旧ソ連に生きる朝鮮民族』で部落解放文学賞(記録文学部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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香菜子(かなこ・Kanako)
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Masakazu Fujino
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