内容説明
直木賞作家として、経済コンサルタントとして一世を風靡した「株の神様」邱永漢。10年前すでに自著『マネーゲーム敗れたり』で、今日の世界市場経済崩壊を喝破した予見力の持ち主は、85歳の今も中国を舞台に農業ビジネス・プロジェクトに奔走する。著者は、邱永漢の率いる投資考察団に加わり、中国大陸における農業ビジネスの実際を目の当たりにする。中国の食糧自給率が100%でなければアジア経済の活性化はない、と予見する邱永漢の経済哲学、生きる知恵を、「農」の人・玉村豊男が追跡ルポ、インタビューする。
目次
第1章 波の向こうの流れを見る
第2章 アジアの農業の新しい地図を描く
第3章 中国人の和牛牧場
第4章 タバコ工場のワイナリー
第5章 フロンティアは西へ
第6章 邱永漢の目のつけどころ
第7章 十年後の中国と世界はどうなっているか
あとがきに代えて―八十五歳の誕生日会
邱永漢の略年譜
著者等紹介
玉村豊男[タマムラトヨオ]
1945年、東京生まれ。東京大学仏文科卒業。在学中にパリ大学言語学研究所に留学。『パリ 旅の雑学ノート』『料理の四面体』を始め、精力的に執筆活動を続ける。長野県東御市に『ヴィラデスト・ガーデンファーム・アンド・ワイナリー』を開設、2007年、箱根に『玉村豊男ライフアートミュージアム』開館。ワイナリーオーナー、画家としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がんぞ
2
「お金儲けの神様」邱永漢はさまざまな事業の先駆者であった、大衆株式投資で「証券会社の言うことは無視」代表的な名言/会員数十社の企業コンサルタントで「忙しい経営者がそう頻繁に来訪しないだろう」と思ったが、かなりの頻度となり相談することは最高の情報収集となった/’99アジア経済危機に際して『マネーゲーム敗れたり』同時期時評を単行本化し「バブル潰しは禍根を残した、民主主義の陷阱…日本の銀行が経験したことをアメリカの銀行も繰り返す?」とリーマンショックを予見した/「中国は香港化する」大陸奥地で農業と牛肉肥育に邁進2023/03/29
rena
1
もう10年前の事柄の本だと思うが、中国で商売を進めるには、賄賂が不可欠、裏のルートで手を回さないと、調理場の不備など!を指摘されて150万(当時)もの税金?罰金が科せられるとか。。裏で手を回してもやはり相応にお金がかかるらしい。 日本人ののほほん法律順守の姿勢が世界では、通用しないのだ~と気づかされる。 牛肉・トマト・日本そばのビジネスは、今どうなっているのかな~。 2013/12/28
sachi716
1
邱永漢のアイデアを玉村豊男が書く、というある意味夢のコラボ。 新書=軽い読み物でいい、的な勘違いした新書をこのところ立て続けに数冊読んで「とほほ。。。」思っていたところだったので、この本の密度の濃さ、玉村豊男の冴えた筆致にぐいぐい引き込まれた。 プロジェクトが今どうなっているのかフォローアップの続編が欲しい!2013/07/10
タケチャン
0
人の欲には限りない。とんでもない金持ちになっても、金儲けから解放されないQ氏を称賛する本。読んでてしんどいな~。2014/01/19
nori
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日本人は植物と言い放つ邱さん、さすがです2023/10/01