内容説明
西国(近畿)の名だたる古社名刹が手を結び、「神仏和合」にもとづく新しい組織「神仏霊場会」を設立、「巡拝の道」が誕生した。参加社寺は一五〇に及ぶ。江戸時代まで盛んに行なわれた伊勢参りや熊野詣のように、神仏を同時に崇拝していた精神風土を現代に取り戻し、末永く百年千年の規模で展開する巡礼ルートだ。本書はその巡拝の道、唯一の公式ガイドブックである。解説に加えて、現代日本の鉛筆画壇の最高峰の作家たちが、全社寺の姿を描き下ろした。細密鉛筆画特有の柔らかさ、精神性が、世界遺産を抱え、美しい景観の保護も目指す「神仏霊場 巡拝の道」に彩りを添えている。
目次
特別参拝 伊勢―神仏同座の道
和歌山―清浄の道
奈良―鎮護の道
大阪―豊楽の道
兵庫―豊饒の道
京都―楽土の道
滋賀―欣求の道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れい
8
西国33箇所、まだ満願できていないのだが(あと遠方の3か寺を残す)、ハイキングとウォーキングをかねて、出かける口実が欲しく、神仏霊場を新に始めた。水間寺で購入。改めて参加霊場表をみて、被るお寺の多いこと…。150箇所もあるので、いつ終えることのできることやら。ゆっくりと味わいたいものです。2015/06/24
うえ
6
今宮戎神社「かつては、大阪商人にとっての本当の初詣は十日戎への参拝であったといわれる。一月十日に祭礼の行なわれる今宮戎神社で商売繁盛を祈願し、福笹をいただいて帰ることで、その年の仕事が本格化した。社殿によると、賑わいを見せはじめるのは中世以後のことらしい。市場経済が活発化するとともに崇敬者が増えていった。近年は招福の神としてと親しまれ、十日戎の参詣は百万人を超える。えびす神は、七福神のなかで唯一日本の神。イザナギ、イザナミの三男として生まれた夷三郎ともおわれるが、出自ははっきりしない。」2020/05/19
京橋ハナコ
3
神社に行くときに神社の下調べにに読むべき本。家で煎餅をかじりながらひたすら読むべきではない。疲れたのはそんな読み方をした私のせい。よく知らない神社に行くときに良いと思う。2015/11/08
マウンテンゴリラ
1
歴史や伝統宗教には少なからず興味を持っていると思うものの、ほぼ読書的な知識に偏っており、実践的な活動は殆ど伴わないというのが正直なところである。神社仏閣の造形美に魅力を感じる一方、観光地の喧騒や権力の象徴的遺産という側面に個人的な違和感を持つため、なかなか足が向かないという面もあった。というわけで、本書に紹介される場所にも、数える程にしか訪れた記憶は無く、名称さえ初めて聞くという場所も多かった。建築様式や歴史的背景の知識が、鑑賞、礼拝への関心の助けになる事は間違い無いと思うが、それを動機、→(2)2023/06/16
ゆうへい
1
世界遺産を含む寺社仏閣150ヵ所の経緯と背景が述べられています。特に、近畿地方を中心に描かれていて、おまけに始まりである伊勢神宮も紹介されています。訪れたところはいくつかありますが、それぞれポイントに描かれていて、霊場がカラー写真ではなく、鉛筆画で紹介されています。ボリュームがありますが、所々で遠回しな言い方もあって、読みにくい部分もありました。ただ、巡礼の参考にもなりやすく、ガイドブックとしては成り立っているだけでも救いようがあります。2020/01/23