集英社新書
新釈 四谷怪談

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087204544
  • NDC分類 912.5
  • Cコード C0274

内容説明

親殺し、子殺し、無差別殺人の横行する現代に、時代を超えた「目に見えない世界」からの声が届く…。江戸時代に誕生した「お岩さま」は、何故今も恐れられ、拝まれているのか?「祟り」とは何か?なぜ怖いと思いながらも私たちは怪談話に惹かれるのだろうか。目に見えないものを畏れることの今日的な意味合いとは?鬼才鶴屋南北が江戸末期に近い文化文政の時代に世の中へ投げかけた問いが、今、鮮やかによみがえる。

目次

第1章 お岩さま誕生(お岩さま誕生;『東海道四谷怪談』命名の理由 ほか)
第2章 四谷怪談と化政文化(四谷怪談 題材となる五つの伝説;お岩さま貞女説 ほか)
第3章 後日上演(三角屋敷;南北のたくらみ ほか)
第4章 「祟り神」お岩さま(お岩さまの本質;日本人の恐怖イメージ ほか)

著者等紹介

小林恭二[コバヤシキョウジ]
1957年兵庫県生まれ。作家。専修大学文学部教授。東京大学文学部美学芸術学専修課程卒業。在学中は「東大学生俳句会」の同人として活躍。84年『電話男』で第三回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。98年『カブキの日』で、第一一回三島由紀夫賞を受賞。歌舞伎、俳句、短歌などにも造詣が深い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

6
小池荘彦『四谷怪談 祟りの正体』「一、岡本綺堂『四谷怪談異説』…によると、お岩さまと伊右衛門はもともと仲睦まじい夫婦であった。しかし田宮家の家計が苦しいことから、お岩さまは奉公に出ることになった。お岩さまは孜子として働き、その結果、田宮家を再興することができた。ふたりは元通り一緒に住むようになり、お礼のために稲荷社を勧進した…二、田宮神社の近くに陽運寺という法華宗の寺があり、こちらも於岩稲荷を名乗っていた。つまり両寺社は本家問題を抱えていた。この中で、田宮神社は自分たちはお岩さまの子孫であると主張した」2018/12/15

garyou

3
四谷怪談について書いたのは、おそらく見たからだろう。芝居を見て書きたくなったのに違いない。そんな気がする。江戸のことばができたのが化政のころとあって、それで南北のセリフはむつかしいのかなと思った。四谷怪談に興味があるというよりは著者の書くものを読みたかったから読んだので、その点では満足な内容だった。それにしても南北の作品を何点かあげておきながら、なぜ『謎帯一寸徳兵衛』については言及していないのか。著者であれば段四郎か孝夫時代の仁左衛門で見ていても不思議ではない気がするが、見てない可能性も高いか。2024/01/31

風鈴

2
四谷怪談は、色々観た記憶があります。化政文化を切り口に面白く読めました。もっと深く読むと、奥深い執念が怖い。無惨絵だったかに書かれた岩がちらつきました。2024/09/12

やま

2
夏の課題のため再読2014/06/23

迦陵頻之急

1
四谷怪談上演200年を機に再読。鶴屋南北は賤民階級出身という事もあって、聖と俗、貴と賤の秩序を反転させる方法論を駆使していたというのが著者の見解。たまに各種メディアで、お岩さんは祟った幽霊ではなく、信心で家を再興させた貞女であるという、田宮神社於岩稲荷が主張している説が真実のように語られるが、四谷怪談関連の古文献に関しては色々年代や信憑性が検討される一方、於岩稲荷の伝承に関しては検討も加えられず受け入れられる傾向あり。本書も貞女説を取るが、著者の論拠からすれば貞女を幽霊に反転させたと考えるのは当然だろう。2025/01/15

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