内容説明
女性は〈生まれつき〉女らしく、男性は〈生まれつき〉男らしいのだろうか。もともと、女性はおしゃべりで、男性は権威的なのだろうか。巷では、男女の知的能力や行動、感性の違いを、脳の生来的な違いに求めようとする言説があふれている。それらは、どこまで根拠のあるものなのだろう?さまざまな例を挙げながら、性差や能力と脳の関係について、神経生物学者と科学ジャーナリストがわかりやすく解説する。
目次
第1章 男女間の争いにおける脳
第2章 違いを探せ―性によって、頭のなかにどんな差があるのか?
第3章 経験が頭脳をつくるとき
第4章 遺伝子とホルモンと性別
第5章 情動と知性はホルモンの支配下に?
第6章 行動にどのような進化の刻印が押されているのか?
第7章 性の混乱
第8章 「神経社会学」へ?
エピローグ
著者等紹介
ヴィダル,カトリーヌ[ヴィダル,カトリーヌ][Vidal,Catherine]
神経科医、パリのパスツール研究所所長。これまでの主な研究に、痛みの生理学的メカニズム、記憶における大脳皮質の役割など。科学と社会の関係についても関心がある
ブノワ=ブロウエズ,ドロテ[ブノワブロウエズ,ドロテ][Benoit‐Browaeys,Doroth´ee]
生命科学を中心に活動する科学ジャーナリスト。科学と社会のあり方についての公開討論を主催する団体〈ヴィヴ・アゴラ〉代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
もち
4
男女で脳に違いはあるか、など、俗信に真っ向から立ちむかい、正論でばっさばっさと切り倒していく本。忙しいかたはエピローグだけ読めば、そこに骨子が全てある。結論としては、男女で脳に大して違いはなく、よく言われる男子に備わるとされる空間把握能力なども学習によって得られるもので(男の子は小さい頃スポーツをすることが多いからか)、生得的でないとする。男女の違いがあってほしい(特に、女性に劣っていてほしい)という考えが一般に流布するものからみえて、その歪さを改めて思った。2017/08/15
まあい
2
すくなくとも現在の技術では、脳の調査から男女の本質的能力差を検証することはできない。人間の能力や個性や行動を決定する要因はあまりにも多様で、脳という単一の臓器には還元できない。脳科学に期待しすぎないようにしようという本。引用「男女間の不平等は自然の生物学的序列で説明がつくと主張することは、歴史を無視し、現実を否定することにもなる(p107)」2016/04/06
トナク
2
能力の差を、性別のせいにしてはいけないと感じました。2011/03/06
bittersweet symphony
1
大脳生理学/脳科学の知見から男女の能力の違いを説明する学説に対して、後天的/社会的な学習の要素を強調することで優生思想/性差別的な論調を批判するための本になっています。著者が言うようにセクショナリズムの進行する科学において、限定的な知見から短絡的で差別的な結論を引き出すのに問題があるのは確かですが、生理現象を含めて脳内で進行している生命科学的現象を突き詰めていくと見えてくる共通事項も確実に多々あり、それがサイエンスの究極目標として存在しそれを科学者と呼ばれる人々は目標としている訳で、(続く)2008/02/11
左手爆弾
1
短い本ながら、下手な脳科学本を何冊も読むよりもよっぽどタメになる。人間の能力や個性を脳画像を元に診断するのには限界があり、できることは極めて少ない。男女の脳の違いより、ヴァイオリニストと数学生の脳の違いの方が大きい。だとすれば、何がわかると言うのか、というのが最初の問いかけにして重要な結論でもある。男が狩りにでかけ、女が家を守るなどというのは考古学的な発見からすれば全くデタラメであり、信じる証拠はない。今時「骨相学」を持ち出したら笑われるが、実は脳科学も本質的には変わりがない、というお話。2016/10/24
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