出版社内容情報
現代を代表する政治学者による、初の入門書。
現代を代表する政治学者が、政治を考える上で外せない7つのキーワードを平易に解説。反日に揺れる周辺アジア諸国との関係や、55年体制以後の日本の行く末に、示唆的な視点を与えてくれる一冊!
内容説明
湾岸戦争以後、時代の重大局面に際し、さまざまなメディアで精力的に発言してきた「行動する政治学者」が、その揺るぎない思考を支える歴史観と、政治理論のエッセンスを、コンパクトな一冊にまとめました。アメリカ、暴力、主権、憲法、戦後民主主義、歴史認識、東北アジアという七つのキーワードを取りあげ、現代日本とそれが関わる世界の現状をやさしく読み解いた本書は、五五年体制の成立以来、半世紀ぶりの構造変化にさらされる社会の混迷を、正確に見据える視点を養ってくれます。未来への構想力を提言する、著者初のアクチュアルな入門書。
目次
第1章 アメリカ
第2章 暴力
第3章 主権
第4章 憲法
第5章 戦後民主主義
第6章 歴史認識
第7章 東北アジア
著者等紹介
姜尚中[カンサンジュン]
1950年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学・政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
豆ぽち
12
政治学とは、どんな内容だろうと興味を持って購入。思っていた内容とは違い、哲学的な内容だった。思想あっての政治なんだと、改めて認識。2013/04/07
ミスターポテトキング
7
アメリカ、アジアを中心に様々な国の政治状況を、歴史的、経済的見地から考察している。特に暴力に関する考察は面白かった。人間の存在自体に、ある種の暴力生が含まれ、ナチズムの例はそれの極限形態であるという。本書を読むには政治的知識が不可欠であり、俺には到底無理だった。2013/02/06
boya
4
インターネットによって、短絡的なナショナリスト気取りが目に余る昨今だが、その原因のひとつは、彼らがアジア(筆者のいう「東北アジア」)のスケールを捉えあぐねていることにあるだろう。本書の前半部は、おさらいの連続でおもしろくはない。しかし、その独自の主張である「日本のアジア化」を徐々に忍ばせていくところに、読者による「読後処理」(文学作品でいえば余韻)を見越した周到さを感じる。2011/11/06
Stayc
4
自分にはやはり政治「学」は難しいく思われたが、読み進むにつれ一つひとつのキーワードのつながりが見えてきた。現在の日本の立ち位置を、様々な視座から語ることで、未来への展望がおぼろげながら見えてきそうである。2011/02/20
ゆうき
3
政治思想史学者「姜 尚中」がアメリカ・暴力・主権・憲法・戦後民主主義・歴史認識・東北アジアという7つのキーワードを軸に、現代日本と世界の関わりを述べた著作。この著作をきちんと理解するには世界史やその他諸々の前提知識を多く必要とすると思う。題名では「政治学入門」と大々的に謳われているが、それを鵜呑みにしてはならない(笑)。但し、ある程度の前提知識がある人にとっては非常に多くの示唆を富んだ著作なのかも知れない。個人的にはアメリカ・暴力・主権・憲法の章がお気に入り。2010/03/05