内容説明
見えないイコールいない、ではない!菌=バイ菌=悪い汚いヤツ、というのは過去の常識。さらに菌は腸内のみならず皮膚にも棲みついていることを知ってほしい。周知となった腸内細菌における善玉菌と悪玉菌の理論は、そのまま人体表面の皮膚常在菌にもあてはまり、常在菌との共生こそが健康で快い生活の鍵である。本書は「菌」を真中に置いて生活スタイルを見直し、善玉常在菌を育てよう、免疫もアレルギーもその観点から考え直そうと提案する、わかりやすい医科学的実用読み物。
目次
第1章 健康と美容について再考してみる
第2章 腸内常在菌を育てる
第3章 皮膚常在菌を育てる
第4章 育菌のコツをつかむ
第5章 育菌式美容法
第6章 ストレスと癒し
著者等紹介
青木皐[アオキノボル]
1943年兵庫県芦屋市生まれ。医学博士(バイオメディカル・サイエンス)。(株)コントロール・ラボ代表取締役。生物医学研究所所長。大阪女子学園短期大学非常勤講師。75年から生物制御企業にて昆虫・微生物制御研究に従事。93~95年東京大学医学部(解剖学・養老孟司教室)研究員、96~98年東京大学総合研究博物館客員研究員
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感想・レビュー
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ゆいまある
80
美肌菌についてもスキンケアについても出来尾格先生「化粧水やめたら美肌菌が」のほうが遥かに詳しい(向こうは皮膚常在菌の研究者かつ皮膚科医なので無理もない)。こちらは微生物学の研究者で皮膚やスキンケアの専門家ではない。ただ、皮膚常在菌は乾燥や低温に弱いので、冬はしっかり化粧品で保湿しろと云うのが前出の本とは違う。なるほどリニューアルした資生堂dプログラムは確かに美肌菌を増やす処方になってるようだ。洗い過ぎは良くない、人間よ自然に還れ的な箇所も多く、おっさんのボヤキ的。美肌菌の本としてこれ一冊では足りない印象。2020/12/09
大島ちかり
14
勉強になりました。これからも体にいいことを意識するだけでなく、体を守ってくれている常在菌のためにも体調管理をして行こうと思います。共存共栄。2016/09/16
anco
14
人は常に無数の菌と共に生きている。身体中には数100兆個の常在菌がいる。健康や美容のためによかれと思って行っていることが常在菌に悪影響を与えていないか、どうすればうまく育てられるか書かれていました。ヨーグルトのビフィズス菌に活躍してもらうには食後に、また食物繊維を多く含む食品と一緒にとった方がよい。抗菌グッズは金属イオンに菌がくっついて死ぬという仕組みを利用している。死ぬまでには時間がかかり、また水分や油分がつくとイオンは働かない。抗菌グッズも洗って干して使用しなければ効果はないなど勉強になりました。2016/01/22
羊の国のひつじ
14
人は菌まみれで生きている。ゴシゴシ洗って菌を追い払うのではなく、常在菌と共存することをめざそう。常在菌が喜ぶことをすれば、ストレスフリーの暮らしを実現できる。美人は一日にしてならず。たまには常在菌に感謝して(笑)、仲良く暮らそう〜!育菌!2015/12/01
おの
13
図書館本。ずっと読みたいと思っていてようやく。とはいえ、最近生化学の勉強してたのもあり、そんなに目新しいことはなくなってしまった。健康のため、美容のため、常在菌を育てましょう(育菌)という話。「ヨーグルトを食べる時はオリゴ糖のお弁当を持たせてあげる」「夏に冷房キンキンの部屋にいたら常在菌がびっくりするだろう」など、常在菌への愛に溢れる表現が面白かった。表皮ブドウ球菌にはキシリトールとファルネソールがいいとのこと。美肌菌を謳う化粧品を使ってるので、入ってるか確認してみようと思った。2022/01/12