集英社新書
なぜ通販で買うのですか

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  • サイズ 新書判/ページ数 251p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202380
  • NDC分類 673.36
  • Cコード C0263

内容説明

通信販売は日本の小売業界の中で、すでに揺るぎない地位を確保した。その中にあって、カタログ販売という業態を頑固なまでに守り、独自の立場を堅持している(株)カタログハウスが発行しているのが「通販生活」である。なぜこれが圧倒的信頼と支持を勝ち得るにいたったのか。通販業界の伝説的人物であり、カタログハウスの現役社長である著者が、自らの失販を省みつつ真摯に綴る「通販の真実」。消費者の心理をどう読み込むのか、誠実に消費者と向き合うとはどういうことか。通販の歴史を辿りながら、日本の消費社会の深奥に迫る。

目次

第1章 玉蜀黍―明治時代のカタログは「舶来品の情報誌」だった。
第2章 ルームランナー―七〇年代、「商品情報好きの消費者」が大量出現した。
第3章 女性服―八〇年代、消費社会の「欲望刺激材」として通信販売は定着した。
第4章 デロンギヒーター―通信販売の得意芸は「実演販売の情報化」だ。
第5章 ミーレの掃除機―通信販売という名の「広告」はどうしたら信用されるのか。
第6章 メディカル枕―通信販売は持続可能型社会にフィットする小売業態だ。
終章 コーヒー豆―小売ジャーナリズムの夢を追いかけて。

著者等紹介

斎藤駿[サイトウススム]
1935年、東京都生まれ。早稲田大学文学部露文科卒。出版社の編集長を経て、76年に(株)カタログハウスの前身、日本ヘルスメーカーを設立。82年に「通販生活」を創刊。(株)カタログハウス代表取締役社長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Roko

31
商品の機能が優れているというだけでなく、「その商品を作るプロセスにおいて不正なことをしていない」ということを前面に押し出すということも、消費者に対する情報発信の意義であるはずです。児童労働や、環境破壊を容認しているところの商品は扱いません。というのは大事な主張です。 そういうスタンスを貫き通している「通販生活」はきっとこれからも生き残っていくのでしょうね。2023/02/12

aponchan

7
清水勝彦氏著書「組織を脅かすあやしい常識」に掲載されていたことをきっかけに読了。通販の歴史・背景から現状の課題認識を社会的な視点まで広げて論じている。小売業の自虐的な観点がなぜ生まれたか等は面白い見方だった。筆者が色々勉強し、試行錯誤したことも理解した。2019/05/19

Kentaro

4
この時代はまだスマホの普及前でECでの買い物が無い時代なので、今で言うロングテール的発想での売り方はカタログ通販の強みとして強調されていた。 田舎にしかない、本来そこでしか買えない特産物や、デロンギのようにオイルヒーターの意味が伝わっていなかったところへ顧客体験価値を強調することで一躍ヒット商品になったような商品である。 デジタル時代の今、いまだにカタログ通販を強みにしている会社がある。消費者のニーズはデジタルにすれば良いと言う単純な思想ではダメなことを痛感する。 顧客への共感が大事そうだと感じる。2018/10/13

Coconuts725

3
通販だけではなく小売業としてのあるべき姿勢を考えさせられる。ついでに消費者としての購買の仕方も反省させられる。原発などについて、矛盾を認識しつつ、その中でどうしたら少しは良くなるかを考える姿勢が素敵だなと思った。2012/08/03

あじたま

2
ECやD2Cを扱うことになったらまた読み直したい本。店舗じゃなくて通販だからこそ伝えられる細かな使用感、実際に数ヶ月使った感想。売る側が商品の適所について切り取っていく話、どのような人が買うのか具体的に浮かぶものは売れるという話が面白かった。 サービス・商品を作る時やマーケティングを設計する時に、ペルソナを考えてユーザーエクスペリエンスを構築していく…という話があるが、よいサービスや商品というのは「あんな人もこんな人もこんな時に使いそう」というのが浮かぶものなのだなと。2021/09/04

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