内容説明
生ゴミの食い散らかしや農作物荒らし、タチの悪いイタズラに果ては人の襲撃まで。とかく目の敵にされがちなカラスだが、それもその賢さゆえ。知恵の湧き出る源、脳の構造から始まって、優れた身体能力を解剖学を専門とする著者が詳細に解説する。カラスは考えているのか?数を数えたり、道具を作ったりといった学習能力はあるのか?人の顔が見分けられるのか?数々の謎が解き明かされるが、意外に愛らしい生態も紹介、カラスと人との平和的共生を提案する「カラス本」の決定版。
目次
第1章 カラスの遊び
第2章 『カラス研究所』ではないけれど…
第3章 カラスの基礎知識
第4章 脳から生物「カラス」を見るということ
第5章 カラスの“知られざる”能力
第6章 「立派な」カラスの脳でできること
著者等紹介
杉田昭栄[スギタショウエイ]
1952年岩手県生まれ。宇都宮大学農学部畜産学科卒業。千葉大学大学院医学研究科博士課程修了。宇都宮大学農学部生物生産科学科動物生産学講座動物機能形態学研究室教授、東京農工大学大学院連合農学研究科教授(併任)。専門は動物形態学、神経解剖学
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
28
かしこい鳥だとは知っていたけれど、ここまでくると、カラスはすごいとさえ思う。パッと見ただけではわからない、脳の大きさとの関係でも、他の鳥より発達しているわけである。明らかに「遊ぶ」という行為ができるのも、カラスの持っている強さと余裕だと思う。集団行動で仲間を助けたり、落ちたヒナにえさをやりに来て、巣立ちまで育てた親鳥の話には、思わず感動してしまう。カラスに思わず親しみがわく。2014/02/18
魚京童!
12
からす なぜ鳴くの からすは 山に かわいい 七つの子があるからよ かわい かわいと からすは鳴くの かわい かわいと 鳴くんだよ やまの 古巣へ 行ってみて ごらん まるい眼をした いい子だよ2024/04/29
蛸墨雄
9
いやぁ、楽しい本です。カラス好き必携かも。それにしても、脳科学だけではなくて、こちらの杉田先生、あらやる観点でカラスを観察研究している姿がとても好感が持てるのでした。この先生の元で学生生活を送りたくなってしまいます。友人ふたりが定年後また大学行きたいとか言っていますが、ボクもそんな口かも・・・。2020/09/25
number
6
執筆のネタを探していて、カラスの遊びというのに惹かれ古本で。読めば読むほど、その知力に驚かされる。賢くて真っ黒で洗練されたカラスは、どこか神秘的で魅惑的だ。害鳥ではなく、うまく共生できるようになればと思う。2020/06/06
仲本テンカ
6
最近、地元に帰ってきてから気づいた。そういえばアイツを見かけないなぁ。そう、カラスを。カラスと本気でケンカできる27歳(イタい)としては少しさみしい。ということで、本書を手に手に…… 本書にはカラスの賢さを証明する事例が盛りだくさん。なるほど。カラスは興味をもってたくさん遊ぶからこそ賢いのだそうだ。じゃあ、オレも遊べば賢くなれるな!……とホンキで言っているあいだは当分アホのまんまだな、残念。2012/07/26