内容説明
あらゆる民族、宗教、歴史的背景をもった、大量の移民が流入し続ける国・フランス。人種、民族、文化の融合はあるのか?その真の姿を描くルポルタージュ。
目次
第1章 背景を数字で見ると
第2章 フランス人は人種差別主義者か
第3章 ブールのアイデンティティ
第4章 フランスにおける巧妙な差別の実態―二つの速度
第5章 女性は同化の原動力?―ブールの女性たち
第6章 フランスの一夫多妻制
第7章 デリケートな問題―サン‐パピエ
著者等紹介
ジョリヴェ,ミュリエル[ジョリヴェ,ミュリエル][Jolivet,Muriel]
ベルギー生まれ。フランス国籍を有する。上智大学外国語学部フランス語学科教授。パリ大学東洋語学科で日本語・中国語を学び、1973年、奨学金を得て来日。81年に同大学大学院博士課程修了
鳥取絹子[トットリキヌコ]
富山県生まれ。お茶の水女子大学卒業。翻訳家、ジャーナリスト
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんこい
14
題材のわりに読みやすいと感じたのは、データに基づく分析や論評でなく移民たちのインタビューした声を沢山収録した体裁だからか。体系だった理解には至らぬものの、一世たちはもともと帰国するつもりで国籍も求めていなかったが、二世たちはフランス語しか話さず帰る気もないとか、フランスに限った話ではなさそう。2016/11/04
泉を乱す
7
少し古い本だけど、状況は大きくは変わっていないはず ルペン支持者は増えてるんだし。。 ただ移民も宗教と伝統をいっしょくたに考えてしまってるゆえに同化がうまくいってないともいえる2018/10/17
makimakimasa
5
10年以上前の本。著者は上智大教授。思ったより硬くない内容というか、ほとんどインタビュー集だった。「ブール」(フランス出身のマグレブ第二世代)や「サン・パピエ」(正式な滞在許可証の無い人々)と呼ばれる人々の生活の実態や日々の悩み(アイデンティティ、人種差別、女性の権利など)が、これでもかと語り明かされる。それに対する著者の説明と分析が絶対的に足りてないのは、amazonレビューの通り。訳や構成も悪いのか、なかなか全体像が掴めず分かりにくい。しかし、ミクロな目線での移民の現状はよく理解出来た。2015/12/06
Akiro OUED
2
フランスで暮らす移民の証言集。移民の生活保障について仏は何の責任も負わない、と訴える移民アルジェリアンヌを最後に配したのは、著者の意見を代弁しているから?ソマリア移民出の議員に向けて「アメリカいやなら帰えれば?」と呟くトランプも、米国人プロパーには受けたらしい。日本、どうする?2020/09/17
tkm66
1
彼らフランス人は<本当に><自然に>有色人種は差別するのであるよ、いや本当に。2005/12/18