集英社オレンジ文庫<br> 双蛇に嫁す―濫国後宮華燭抄

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集英社オレンジ文庫
双蛇に嫁す―濫国後宮華燭抄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784086804929
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

2022年集英社ノベル大賞〈カズレーザー賞〉受賞!
皇帝と妃、双子同士の結婚。圧倒的スケールで描かれる、激動の中華王朝婚姻劇!!

草原の民アルタナの娘、シリンとナフィーサ。異母姉妹ながら共に育ち、容姿も双子のように瓜二つの2人だが、シリンは活発で弓と騎馬が得意、ナフィーサは気が優しく刺繍と料理を愛する。ある日、族長である父はシリンとナフィーサを本当の双子に仕立て上げ、南方の大国・濫に輿入れさせることを告げる。濫国は双子信仰が盛んであり、折しも現在の皇帝も双子だった。その彼らが、双子の娘を後宮に探し求めているというのである。
草原の和平のためアルタナを離れ長い旅の末、濫国の王城・永寧宮にたどり着いた偽りの双子姫。シリンは弟帝の暁慶の後宮に迎え入れられ、「杏妃」なる名を与えられるが、初夜の床にて「未来永劫、お前を抱くつもりはない」と言い放たれてしまう。故郷の花嫁衣装も、名前も、全てを奪われ、体を繋がぬまま濫の妃となったシリンの運命は、やがて濫国とアルタナを巡る、大いなる時代の奔流に呑み込まれていく――。

内容説明

草原の民の娘、シリンとナフィーサ。異母姉妹だか容姿は瓜二つ、気性は正反対の二人は和平のため、大国・濫に嫁ぐよう命じられる。濫国は双子信仰が深く、時の皇帝もまた双子だった。自由も名前も全て奪われ、後宮に囚われた偽りの双子姫の運命は、やがて草原と濫国を巡る陰謀へと巻きこまれていく―!歴史に翻弄される人々を、壮大なスケールで描くデビュー作。

著者等紹介

氏家仮名子[ウジイエカナコ]
『双蛇に嫁す』で2022年集英社ノベル大賞“カズレーザー賞”を受賞。本作はその書籍化にしてデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あっか

50
新刊。集英社ノベル大賞カズレーザー賞、田村由美さんの表紙!とくれば期待しない訳には行かない!物語の進みがゆっくり?と感じる部分もあるけれどデビュー作とは思えない程読みやすくスルスルと一気読みしました。十王の儀の描写が本当に荘厳で美しかった〜。でも全体としては悲しい物語だしエグい描写もあり私的には悲恋エンドだったので、ものすごく良い読了感!という感じではなかったかな。ところで「かつてシリンの兄と婚約していたが、濫人に殺されている」というナフィーサの登場人物紹介、これナフィーサが故人だと読み間違えませんか?笑2023/02/23

Takeshi Kambara

39
双子信仰が強い濫という国に草原の民の娘が政治的思惑を背負い嫁ぎ、後宮を舞台に慣れない文化や差別に戸惑いつつも双子の姉妹と役目を果たそうと奮闘するのだが…男勝りな主人公の性格が読んでいて痛快だったし少しずつ芽生え始めた周りとの友情や愛情は嬉しかった。それだけに後半の展開は読むのが辛すぎた。終盤は様々な感情が大量の涙となってあふれ出てきた。帯にグンバツに面白い!と書かれていて騙されんぞ!と思っていたがコレは本当に面白い!大好きな田村由美さんのイラストも作品のイメージにピッタリで良かった♪皆に読んで欲しいです。2023/03/11

よっち

39
草原の民アルタナの娘として双子のように育った異母姉妹シリンとナフィーサ。族長の父は二人を双子信仰が盛んな濫国の双子の皇帝に嫁がせる中華風ファンタジー。気が優しく刺繍と料理を愛するナフィーサは兄帝・燕嵐に、活発で弓と騎馬が得意なシリンは弟帝・暁慶の後宮に迎え入れられて、対照的な皇帝たちのもとでそれぞれが居場所を得つつあった矢先の不穏な疑惑、そして思ってもみなかった事件。姉妹も否が応でも巻き込まれる激動の展開と彼女たちの選択にはほろ苦さもありましたけど、これはこれでとても彼女たちらしい結末のように思いました。2023/02/16

omo

27
双子のように育った異母姉妹であるシリンとナフィーサが、和平のため異国の双子の皇帝に嫁ぐ。舞台は、中華帝国やその周辺のモンゴルもしくはカザフスタンかな?とか、時代はいつなんやろ?妃達の衣装はどんなんやろ?綺麗やろなぁ…。と、色々想像するのが楽しかった。ストレスなくサクッと読める文章も通勤時間に最適だった。ただ、犯人が真相をすべて自白してしまう…。という、私の苦手な流れだったのが残念。2023/10/09

らび

25
よくあるこれ系のファンタジー作品では双子は忌み嫌われる設定が多かった気がします。この濫国では創世神話により双頭の蛇が敬われている、よって双子ばかりが後宮に入り帝までも双子。草原の民、シリンとナフィーサは異母姉妹ではあるが瓜二つだった故双子と称され帝へ嫁ぐことに。後半まで何も起こらず盛り上がりもなく何処を目指しているのか?でしたがシリンの兄の死がここまでの悲劇に繋がる展開だとは。流れに無理がなく1つ1つが腑に落ちるというか、よく描かれた作品でした。短い間に多くを失ったシリン。どうかその子を守って欲しい。2023/05/21

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