出版社内容情報
国内有数の大手物流会社・昭和街送で、定年を一年後にひかえた配送員の秋山晋。会社創業間もない頃から現場で働いてきたが、どうも最近の会社の雰囲気はおかしい。
そう感じていた秋山だが、社の実施している「定年対象者説明会」に出席したことから、社員の満期定年退職を阻む「ジジイ狩り」が隠然と行われていると知ってしまう。
そして間を置かず、営業所の所長になるよう打診をされた。
通常の配送業務以外に大量の書類仕事や部下の労働時間管理などもこなさなければならないという業務の多さに加え、過去の苦い記憶、さらにジジイ狩りを疑う気持ちもあった秋山は断ろうとするのだが……?
腐った会社組織に“ジジイ"が立ち向かう痛快エンタメ!
内容説明
国内有数の大手物流会社で、定年を一年後にひかえた配送員の秋山晋。会社創業間もない頃から現場で働いてきたが、どうも最近の会社の雰囲気はおかしい。そう感じていた秋山だが、社の実施している「定年対象者説明会」に出席したことから、社員の満期定年退職を阻む「ジジイ狩り」が隠然と行われていると知り…?腐った会社組織に“ジジイ”が立ち向かう痛快エンタメ!
著者等紹介
風戸野小路[カザトノコミチ]
神奈川県出身。2020年ノベル大賞で最終候補に残ったことがきっかけで、『ラストワンマイル』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
つれづれ本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いぼいのしし
35
大手の配送会社に長年勤めて来た主人公の秋山は、あと1年で定年を迎える。その説明会に行き、皆退職金を払いたくない会社の嫌がらせにより自主退職に追い込まれ、この10年退職金をもらった者がいないことを知る。秋山は1年後に無事退職を迎えられるのか。。。今どきここまでブラックな会社は少ないと思うけれど、配送業者の大変さを改めて感じた。2022/05/16
よっち
35
国内有数の大手物流会社・昭和街送で、定年を一年後に控えた配送員の秋山晋。たった2人の「定年対象者説明会」に出席して社員の満期定年退職を阻む「ジジイ狩り」を知った彼が、間を置かず営業所の所長を打診されるお仕事小説。ただでさえブラック気味な通常の配送業務に大量の書類仕事や部下の労働時間管理といった業務の多さ、そして過去の苦い記憶。人はどんどん減るのに荷物が増えてゆく配送業者の事情も興味深かったですけど、部下や会社の危機的状況にどうすべきか一生懸命考え奔走する秋山の奮闘がもたらした結末はなかなか良かったですね。2021/09/09
ぐっち
31
これオレンジ文庫じゃなくて、池井戸潤の横に並べるヤツだよね。宅配便の事業所で、あと1年で定年の秋山。長年勤めた会社は、残業を減らして荷物を増やせと無理を言ってくるばかりか、退職金を払いたくなくていやがらせまでしてくる。業種は違えど、うちの会社も似たり寄ったり。入社したころは、夢みたいなことばかり語っていて大丈夫かこの会社と思っていたが、今は直近の目標数値のことばかり語っていてダメだこの会社と思う。宅配業界の仕組みも詳しく、秋山がどんどんピンチに陥っていくところが面白く、解決はうまくいきすぎ感が無きにしも。2021/09/18
よっしー
29
何となく…で手に取った1冊ですが、面白かったです。定年まで残り一年、ブラック企業と知りつつ、平穏無事な定年退職を夢見る秋山と、それを許さない周囲。紆余曲折がありすぎましたが、結果的には勧善懲悪といった感じで綺麗に話が纏まっていました。舞台となったのは運送会社、便利だからとなんでもネット注文のご時世ですが…届くまでを考えると感謝しなくてはいけないなと改めて感じたお話でした。2023/01/22
酔拳2
24
特定の通販サイトの荷物が爆発する、今話題の映画、物流ミステリーの原作本!ではありません。物流がテーマですが、超ブラックな物流企業の現場での奮闘を描く本作。通販サイトの台頭とコロナ禍で、物流会社って大変だよね。現実には2024問題もあるし。ただ本書は2024問題なんてどこ吹く風の劣悪環境。さらに現場ドライバーは問題児ばかり。定年間際の主人公、どうする⁈からの反撃が痛快!やはり上に立つものは部下を信じて、サポートするのが改善の近道。急がば回れだな。ちょっと上手く行きすぎだけど読んでて楽しい作品でした。2025/03/20