出版社内容情報
何も見えない毎日に、誰にも見えない君を見つけた
将来に可能性が感じられず、自分が存在しないみたいに思えた高校三年生の冬。
俺は風逢(ふわ)に出会った。
冬の神戸、三宮。
確かにそこにいるのに、俺以外には見えない透明人間。
不自由の中で生きる俺は、自由に生きる風逢に惹かれていった。
現れては消える少女に導かれ、俺の人生は静かに動き出していく――。
消えゆく君との出逢いから始まる、真冬の青春ストーリー!
「見つかっちゃった」
「見つけた」
その瞬間から、色のない毎日が彩られていく。
内容説明
将来に可能性が感じられず、自分が存在しないみたいに思えた高校三年生の冬。俺は風逢に出会った。冬の神戸、三宮。確かにそこにいるのに、俺以外には見えない透明人間。不自由の中で生きる俺は、自由に生きる風逢に惹かれていった。現れては消える少女に導かれ、俺の人生は静かに動き出していく―。消えゆく君との出逢いから始まる、真冬の青春ストーリー!
著者等紹介
猫田佐文[ネコタサモン]
兵庫県出身。「ひきこもりを家から出す方法」で2019年度ノベル大賞を受賞し、同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
38
将来に可能性が感じられず、自分が存在しないみたいに思えた高校三年生の冬。何も見えない毎日に絶望していた迅が、神戸の三宮で自分以外には見えない透明人間の少女・風逢と出会う青春小説。親の強制に反発し、自らの進む道を見出す友人たちの姿に焦燥を募らせる中、現れては消える自由に生きる風逢に惹かれ、静かに動き出していく迅の人生。どこか独りよがりな部分もあった彼が、彼女との関わりの中で目をそらしていた本当に大切なことに気づいて、向き合うようになってゆく結末はなかなか良かったですね。猫のコペンがいい感じに効いていました。2021/05/02
陸抗
21
自分のやりたいことが見つからず、親の言うままに受験勉強する日々な迅。友人達が自分で決めた進路を進むのが眩しく、自分には何もないと落ち込む時、迅にしか見えない風遥に出会った。迅の悩み、風遥の置かれた環境が何処か他人事のように思えず、自分も透明人間になってしまう可能性もあるんじゃないかと勘ぐってしまった。大切な人と向き合い、手を差しのべるのは簡単な事ではないけど、見ないふりをして後悔はしたくないね。2021/03/29
稲荷
18
表紙の可愛さで購入。青春感溢れる内容がよかった。透明人間の存在は非現実的だと思っていたけど、ある意味有り得るのかも…。主人公や他の登場人物のその後も気になるものの、いい終わり方だった。2021/04/30
なみ
16
将来に不安を抱く高校三年生の迅と、自由を愛する透明人間、風逢のボーイミーツガール。 将来のビジョンが明確な友人、黒田や桜と、何もない自分を比較してしまう迅ですが、大切なものを見つけて少しずつ変わっていきます。 終盤はページをめくる手が止まりませんでした。 コペンがかわいい。2021/03/20
イシカミハサミ
9
「自由と不自由」というテーマは、 作家を何人か集めて、 みんなにこのテーマで作品を書いてもらって比べてみたいくらい 魅力的なテーマ。 だけれど、本作では、 誰にも共感しきれずなんとも当事者感のない読後感だった。 決して面白くないとかではなく、 誰の立場も自分の考えと少しずつずれて味方がいないまま進む感じ。 ラストももうちょっと読者への納得のさせ方がある気がする。 ……あちらの世界に行こうかしら。2021/05/20