出版社内容情報
王位継承権を持つ三人のきょうだいによる『共同統治』が敷かれるイルバス。
末王子サミュエルが治める西部地域は貧しく、貧乏伯爵令嬢のエスメ・アシュレイルは食糧難を解決すべく、日々手を土に汚し畑仕事にいそしんでいた。
丹精込めて育てた芋が盗まれたのをきっかけに、領地の窮状を王子に訴えようと決意したエスメ。
頼りない双子の兄に代わり男装して王宮に出仕するが、当のサミュエルにまつわる噂は気難し屋だワガママだと、あまり芳しいものではなく……?
ふたつの星が巡り逢うとき、王国に新たな風がもたらされる!
内容説明
王族による『共同統治』が敷かれるイルバス。末王子サミュエルが治める西部地域は貧しく、伯爵令嬢のエスメは食糧難を解決すべく、日々畑仕事にいそしんでいる。丹精込めて育てた芋が盗まれたのをきっかけに、頼りない双子の兄に代わり、男装して王宮に出仕し、領地の窮状を訴えることを決意したエスメ。だが、サミュエルは性格に難アリともっぱらの噂で…?
著者等紹介
仲村つばき[ナカムラツバキ]
東京都出身。2012年、第14回エンターブレインえんため大賞ガールズノベルズ部門特別賞受賞。著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
43
末王子サミュエルが治める貧しい西部地域。貧乏伯爵令嬢のエスメは食糧難を解決すべく、頼りない双子の兄に代わり男装し領地の窮状を王子に訴えようと決意する第三弾。共同統治が敷かれる中、年上の兄姉に出遅れ気味で焦燥を募らせるサミュエルとエスメの邂逅。真っすぐで自ら率先して事に当たる彼女の姿に、少しずつ感化されてゆくサミュエル。彼を溺愛するあまり暴走する王太后の干渉はあれでしたけど、サミュエルもようやくかけがえのない人と巡り会えた結末にはぐっと来るものがありましたね。相変わらず鈍感過ぎるエスメには苦笑いでしたけど。2021/03/19
すがはら
28
面白かった!ヒロインの性格のおかげで全体に明るくて前向きな雰囲気が溢れてて、病んだ母親が絡んでいてもあまり不安感なく一気読みでした。最初はあの末っ子王子の話かぁと思って読むか迷ったけど。改めてニカヤの地名を見ると感慨深いです。ベアトリスとギャレットにももっと登場して欲しかったな。男性は王配と王杖を兼ねるのは大変とか言わないのに、王妃の役割はまた別なのね。女王はその辺も自分で担ってるのでしょうか。このヒロインなら周りが自然と協力してくれそうだけど。2021/05/14
らび
24
これまでの作品からどうもサミュエルは末っ子甘えんぼ温室育ちしかイメージありませんでしたが、母のよすがになってしまって外に目を向けることを知らなかったが、エスメとの出会いから知るべきこと、やるべきことが見えてきましたね。まだうら若き王はしっかり者の王杖を迎え国を立て直していくことでしょう。2021/09/17
豆乳くま
11
シリーズ物だったのね。でも大丈夫、単独でも気になりません。エスメは賢くガッツがあり好ましく応援したいキャラですが、サミュエル殿下はなかなかの甘ったれでわがままキャラで全然好きになれませんでしたが、エスメに出会って変わっていく、という意味では嫌な奴で良いのか、な。2022/05/26
ミド
9
ベアトリス視点の話だと甘ったれでダメな弟だったサミュエルが戴冠するまでの話。兄の代わりに男装して出仕するとか定番だけどそこがいい。ただ政治色が強すぎて恋愛面ではいまいち。二人がくっつくのはわかるけど、男装バレからのお約束でわかるでしょう?な読み手まかせな所があって物足りない。フレデリックも絡んできてもいいのに。レイピアで木を倒すのはさすがに無理じゃない?アデールの下巻を読む前にこっちを読んでしまったので、さらりとネタバレをくらってしまった。2022/07/20