出版社内容情報
秋の鎌倉──。今日も今日とて、ゆるり営業中の花月香房。だけど今日は……雪弥さんが、ちょっとおかしい!? それぞれの想い深まる「香り」ミステリー。大ヒットシリーズの第3弾が登場!!
内容説明
今日も今日とて、ゆるり営業中の『花月香房』だけど今日は…雪弥さんが、ちょっとおかしい。(自称)雪弥の親友・高橋あてに届けられた、文香だけが入った謎の手紙のせいなのか…。秋の空高く、想い交錯する季節。それぞれの、そして香乃自身の、止まっていた時が動き始める。香乃はどんな香りから、何を感じ進もうとするのか。やさしい絆の物語、第3弾が登場。
著者等紹介
阿部暁子[アベアキコ]
岩手県出身。『陸の魚』で雑誌Cobalt短編小説新人賞に入選。『いつまでも』で2008年度ロマン大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
124
今回は雪弥の親友 高橋、雪弥本人、そして香乃の家族にまつわる複雑な問題が明らかになってくる。誤解や思い違いも重なり、なかなか解決しないが、それぞれの個性や優しさが思いや言葉、描写に詰まっていて、分かり合えるようになり。とても和ませてくれる話だった。香りについての表現もとても参考になる。2020/05/26
ツン
97
このようなことを言ってはなんですけど、2巻は中休みだったんじゃないですか?と思うくらい良かった3巻。一話目の高橋ファミリーもよかったけど、学祭の話もよくて、更に最後の話はメンバー全員の優しさに溢れていました。次が楽しみです。2022/02/05
ちはや@灯れ松明の火
95
甘い香を含んだ風の涼しさに古都を訪う秋のはじまりを知る。掌のさびしさも、声にならない息も、あなたには届かない。互いのため手離したと解っていても忘れえぬ痛み、青紫の花に託すのはあなたの健やかな日々。言葉がなくても伝わると信じても行き違う思い、宵闇に輝く星に祈るのはあなたを満たす幸せ。ひとりきりだと、何もできないと、背を向けて蹲る今もやがて力に変わる。寒さに耐える木の枝に春の彩りが眠っているように。この声で、この掌で。冷たい風が木々をぬくもりの色に染めて暮れていく秋、揺れさざめく乾いた葉音が心に影を落とす。 2016/10/13
ううち
79
第3弾。お祖父さんとお父さん絡みのお香のお話が良かったです。香乃ちゃんと両親が少し歩み寄ることができ、雪弥さんともいい感じになってきたかな、と思ったら気になる展開に。続きが気になります。文香は付録についていたら嬉しいなぁ。2017/07/03
ぽぽ♪
68
いつも脳天気な高橋が、実はそんな事があったとは…高橋家の皆が良い人で良かった。雪弥の過去も同じくらい切なくて、香乃の存在が救いなのが判る気がします。香乃も家族と和解できて良かった!香乃と雪弥が良い雰囲気だったのに、又不穏な終わり方!和馬の「三度目は無い」発言も気になります。2016/04/12