出版社内容情報
駅前にひっそり佇むバー「間」には、毎週水曜午前一時に「特別な客」が訪れる。生者と死者が交差するこの店で、死者たちは伝えられなかった想いをグラスに紡ぐ。店主の波佐間もまた、想いを秘めていて…。
内容説明
東京郊外、とある駅前にある「ツギハギ横丁」。戦後闇市の面影を残す一角に、バー「間」はひっそり佇んでいた。店主の波佐間とアルバイトの由比が営むその店には、毎週水曜午前一時に「特別な客」が訪れる。生者と死者が交差するこの店で、死者たちは伝えられなかった想いをグラスに紡ぐのだ。そんな日々の中、波佐間もまた伝えられない想いを胸に秘めていて…。
著者等紹介
真堂樹[シンドウタツキ]
東京都出身。『春王冥府』で1994年下期ノベル大賞受賞。デビュー作の中華風ファンタジー『四龍島』シリーズで人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
54
祖父から受け継いだあの世とこの世の間にあるバー「ハザマ」では毎週水曜午前一時に「特別な客」が訪れる。店主の一臣とアルバイトの由比の不思議で切ない関係がいつまでも続いて欲しいと思うけど成仏もして欲しい。由比は一臣を独りにしておけないのだろうな。祖母もきっと祖父を独りにしておけなくて赤ん坊を預けたのだろう。娘又は嫁を孕ました男性に子を育てるという能力が欠如している事件がネットや紙面を賑わす。子供を産んで育てる期間なんてほんの束の間に過ぎないのに・・。2020/07/27
佐島楓
53
面白かった。主人公二人の会話のテンポが良く、するする読める。ちょっとしたミステリ要素もあり、扱う内容が重いはずなのに、なぜかやわらかくあたたかい。謎はすべて解けていないので、続編を希望いたします。2016/03/04
coco夏ko10角
34
水曜午前一時に生者と死者が交差することがあるバー。ちょいBL風味…と思って読んでたら自分で痴話喧嘩って言ってるからそういうことなんじゃな。2016/10/22
メルル
25
親友ふたりで営むウイスキー専門のバー「間」で起こる不思議な出来事。ウイスキーは全く飲めないから夜の営業よりランチ定食の方がいい。少し手の込んだ料理だったり、全くの手抜きだったり。やる気のない人たち。空いていていいなと思っていたら潰れている感じの店だ。もう少し気合いれないと駄目だろう。水曜午前1時からの営業はあまり興味がない。って、それが話のメインなのに私ったら…(笑) 波佐間が無口すぎて読者にもあまり心のうちを明かしてくれないものだから拗ねるよ。文章がちょっと読みにくかったかな。2016/02/17
Pirocchi
24
呆れるほど愛想のない一臣と、呆れるほど愛想の良い由比のイケメン2人のお店での物語。そこは死者と生者が交差する場所、またはそうでない者も…?私はけっこう好きだった。嫌いじゃない。ただ死者と生者が会うという小説にしては設定が曖昧。「?」となることしばしば。看板ガラス、カロンがつつけば来るのか、見たら来るのか、隣にきたらくるのか?よくわからないけど、なんとなくいい感じに終わった。2016/01/23