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出版社内容情報
浅田結弦には、後悔がある。
それは中学生時代の恋人、水野藍衣のことだ。
自由な藍衣が、好きだった。でも、彼女の自由さに、苦しんだ。
過ぎ去った中学時代の恋。
二人の恋はゆるやかに過去となり、思い出になってゆくはずだった。
しかし、高校一年の夏、藍衣は再び、結弦の前に姿を現す。
「結弦、好きだよ」
……以前と変わらぬ、むき出しの好意を携えて。
言葉にしないと伝わらない。でも、言葉だけでは分からない。
正反対の二人が、ぶつかり、すれ違い……ようやく見つけた答えとは。
後悔を抱えた少年少女の、恋と対話の物語。
内容説明
「大好きだから、好きになって?」。少年少女の恋と後悔と、対話の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
78
これぞ王道の学園青春ラブストーリー。自由奔放な藍衣が見せる一途さはとても微笑ましいのだけど、相手を顧みないところに怖さも孕んでいて、受けきれなかった結弦の気持ちも良く分かる。一方、「後悔」で先に進めない結弦にとって、薫の存在がとても大きかったですね。彼女にもぜひ幸せになって欲しい。素敵な物語でした。なお、野暮な話ですが、読了後の最初の感想は、こんなに想い合っている二人が、再会できなかったらどんな人生を送っていたのだろうか、ということでした。「この二人でいること」以外の幸せな姿が想像出来ない…。2021/07/31
よっち
49
浅田結弦の中学生時代の恋人・水野藍衣。後悔を抱えながらもゆるやかに過去となり、思い出になってゆくはずだった高校一年の夏、藍衣が再び結弦の前に姿を現す青春小説。自由奔放なな彼女に惹かれ、振り回されることに苦しんだ苦い過去。以前と変わらない真っ直ぐな想いをぶつけてくる藍衣に戸惑い、どうしようもなく惹かれているのを自覚する結弦。周囲も否応なく巻き込んでゆく藍衣は台風のような強烈な存在でしたけど、覚悟を決めた結弦は意外と冷静で、そんな二人だからこそ周囲も呆れるお似合いの二人なのかなと微笑ましい気持ちになりました。2021/07/20
ナギ
47
昔の恋人とのやり直し物語(過去には戻らない)高校生になって少し成長した主人公が奮闘する。 そばにいる小田島のおかげでもあるが……タイトルから泣き要素のある作品かな?とも思ったがそうではなく。とりあえず1巻だけでは判断できない感じですね。これから三角関係は動き出すようなそうはならないような。全部やろうとして中途半端にならない事を祈ります。2022/12/25
わたー
37
★★★★★小田島ちゃんが健気で可愛すぎるだろうが。しめさばさんの同日刊行の2冊目。このような特殊な舞台装置を使わない王道なラブコメも書けるんだなと驚いた。自由奔放な彼女についていけずに別れた過去を持つ主人公が、再び彼女と出会うことから始まるラブコメ。元恋人同士の二人が、今でも意識しまくりで好き合っている描写は本来は大好物のはずなのだが、読むたびに前述した小田島ちゃんの報われない恋に胸が締め付けられる。主人公の背中を押す彼女の姿は、自分の気持ちなんて度外視した、彼の幸せのみを願ったもので尊さしか感じない。2021/07/24
rotti619
37
中学時代に付き合っていて別れた、自由奔放な彼女(水野藍衣)と再会し、当時別れた原因についてお互いの認識のズレや理解をしながら関係を再構築していくお話。サブヒロインの小田島薫が、2人の間に入って良いアクセントとなっている。藍衣の自由でストレートな感情・行為と、彼女の良い所を思うと一歩引いてしまう主人公の心の負担が、実はお互い理解しているようで全くしていなかった事に起因している為、終始すれ違いジメジメした展開が続く。その分終盤の展開は控えめながら、納得のできる話になっており、未来へ続く良い終わり方に感じた。2021/07/24