出版社内容情報
バイオ戦争から五十年――人間の中にヒト以外の遺伝子が発現する者が現れ始めていた…。
「野菜畑」「養鶏場」「案山子」「百鬼夜行」「シンジュク埠頭」「風が吹くとき」の6作品、
物語を補完する“幕間劇"5作品を収録。
奇才・諸星大二郎が描くSF幻想譚、待望の文庫化!!
内容説明
バイオ戦争から五十年―人間の中にヒト以外の遺伝子が発現する者が現れ始めていた…。『野菜畑』『養鶏場』『案山子』『百鬼夜行』『シンジュク埠頭』『風が吹くとき』の6作品、物語を補完する“幕間劇”5作品を収録。奇才・諸星大二郎が描くSF幻想譚。
著者等紹介
諸星大二郎[モロホシダイジロウ]
1949年7月6日、東京都出身。1973年、「不安の立像」で商業誌デビュー。1974年、「生物都市」で第7回手塚賞を受賞。以後、数々の作品を意欲的に発表。1992年、「僕とフリオと校庭で」「異界録」で第21回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。2000年、「西遊妖猿伝」で第4回手塚治虫文化賞・マンガ大賞を受賞。2008年、「栞と紙魚子」で第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。2014年、「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」で第64回芸術選奨文部科学大臣賞(メディア芸術部門)を受賞。2018年、「諸星大二郎劇場」で第47回日本漫画家協会賞コミック部門大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
17
諸星大二郎さんのSF未来歳時記。2000年にウルトラジャンプに2編だけ掲載されましたが例により打ち切りとなりましたが(それぞれの話は読み切りですが、時間を超えて大きな物語となる「ポーの一族」形式)06年から再開され08年に完結しました。単行本化に当たり幕間劇を追加して読みやすくしています。戦争により遺伝子がぐちゃぐちゃに入り交じるディストピアを容赦なく描き出します。私的には再開第一話の『案山子』がもう最高で涙が出た。人間の顔をした鳥と打ち捨てられた案山子との交流。オスカー・ワイルド『幸福の王子』みたい。2024/07/31
erie
6
ものすごく好きな世界観。これはもっともっと発展していけそうなのではないか。ディストピア未来、格差とか差別とか、薬品、遺伝子操作、悲しい子供型ロボット。一見ありそうな設定と思わせておいて、たくさんこちらの予想を裏切ってくる。謎を残しながら終わったり。人間の行動原理も生々しく、今を生きる人と地続きになっていて読ませる。2021/08/21
たけし
0
養鶏場の話が面白かった。 今まで何も不自由なく不信感もなく養鶏している人に話しかけていたがある日を境に仲間が一人連れ去られただけで悪い噂が立ちやがては、鳥たちに反逆を上げられる。 一人の大きyい人物に鳥たち(市民たち)が不信感を抱かせてしまうとろくなことにならない事にもつながるのかな?と少し思ったりもした。 作る側と消費者、遺伝子組み換えされよりおいしくより高価になり組織も大きくなりより、お金の入りもよくなる。 難民に指一本触れさせないためにあんなにも鉄格子をつけたりして野菜を守っている。2024/12/11