出版社内容情報
人類という種が、単独で行えるギリギリの行為、エヴェレスト南西壁冬期無酸素単独登頂――。それは、長い間、人間を拒み続けてきた。その神の領域とも言える登攀に、孤高の単独クライマー・羽生丈二が、全てを捨てて、挑戦する!!
巻末に、谷口ジロー[もうひとつの山嶺]収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J7(読メ低浮上中)
11
ネパールにとどまり続けた羽生の真意―それは人類史上、誰も達成したことのないエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑むことだった。羽生の内なる魂に触れた深町は、自分の限界まで羽生の生涯一度の挑戦を見届ける決意をする。これまでのストーリーをすべて前置きにして、遂に二人の男のエベレスト登山が始まります。今までの山人生の全てを賭け、生涯唯一、人類最大の挑戦に臨む羽生の覚悟が凄まじい。その情熱に対し、二人が入山するエベレストの世界は巨大かつ、静かで、荘厳な過酷さをもって描かれます。神話の次元ともいうべき凄絶な巻です。2015/02/21
はるわか
9
ビカール・サン、明日おまえはここを出発してそして知ることになる。自分が天から愛されている人間かどうか。/何故登るのか。たぶん…それは、自分の内部に眠っている鉱脈を探しにゆく行為のようなものだ。/今…おれにできることをするだけだ。そのあとはおれの領分ではない。神々の領分だ。2020/12/11
fumikaze
8
漫画「神々の嶺 ④」(集英社文庫)。何故山に登るのかという問いに、羽生は『何かをしていないと自分が壊れてしまいそう』『一度あれを味わったら、日常なんてぬるま湯みたいなもんだ』と答える。彼にとってこの無酸素単独登頂は人生をかけたものだろうが、もしそれが成功した後彼はどうするのだろう。(話の流れからすると成功は危うい感じがするが)2016/10/21
白い駄洒落王
8
いよいよエベレストへ。山は厳しい!2014/01/08
かめみっちゃん
6
ついにエベレスト南西壁冬季無酸素単独登攀開始!原作で内容は知っていますが、手に汗にぎる展開にドキドキハラハラが止まりません。深町の救出に羽生のすごさを改めて感じました。次の最終巻が待ち遠しいです。2012/02/05