内容説明
新進作家の響生は、先行する天才戯曲家、榛原の作風の呪縛から逃れようと足掻いていたある日、路上で歌うひとりの青年の声に惹かれ立ち止まった。戯れに手先の榛原の戯曲の一節を演じさせて、響生は衝撃を受ける。独特の眼差しを持つその若者のなかに、魔的なまでの役者の才能を感じ取ったからだ。それから二年、響生は東京の小劇場の舞台の上に再び「彼」を見いだすが…。衝撃の最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Melon Matsuda
15
これ、前から読みたかったんだよね! とうとう読んだ。超面白かった。ベタな桑原展開なのに感動して涙出そうになったな。ミラージュも、このシリーズ読んだら、絶対に読み返そう! 桑原さんとか、吉原さんとかは、萌えの最高峰にいるよね。BLの素晴らしさというのか、萌えとは何かを簡潔に強烈に教えてくれるよね。このスタイルを確立した人だね、桑原さんは。おまけに、桑原さんとの文章の相性の良さを感じたなぁ~。2016/03/11
藤月はな(灯れ松明の火)
15
ミラージュ本編、完読から早2か月なのに毒に当たられに来ました(苦笑)読友さんの助言と理性と常識に囚われていたらダメージを大きく、受けてしまったことを基に初っ端からドSモードで挑みました。連城の心境描写がなければ「あんた、馬鹿にしてんの」と本当に殴りたくなるほど嫌な奴だと罵りたくなります。直江は自覚が早かったものの400年も悶々としてますがこちらは自覚したら止まりません。でもどちらもやっていることはどっこいどっこいの駄犬ですね。しかし、読むのを止めるのも癪なのでその毒、余さず、喰らい尽くしてくれるわ。2012/05/29
たろさ
5
面白い!作家×役者。二人とも劇作家・榛原憂月に囚われている。アマデウスとサリエリとの関係がここにも。榛原の才能に対する激しい愛憎描写、ケイこそが自分を救ってくれると願い、戯曲を書き始めた連城の元へ、ケイが榛原の作品主役を演じることを嬉々として伝えた時に、連城は壊れてしまう。薬を使い、ベッドへ縛り付け、舞台に行けないようにするがやはりケイのセリフで我に帰り、舞台へと向かわせる。しかし、これだけ名前だけ出てきて、本人が全く出てこない榛原の存在感が半端ない。これから、どうなって行くのか、ものすごく楽しみ。 2018/11/06
tomino
5
仕事でちょっとおっきなホールの舞台裏と楽屋を見る機会があって、そういった場所で展開するBLが読みたくって、ふぉろわさんに超プッシュされたシリーズ。ちょうのうりょくとかあやかしとかでてこないけど、やってることはみらーじゅといっしょの狂気と執着(*´艸`*)リアルタイムで読んでた乙女たちはさぞヤキモキしただろう。今、一気に読める幸せを噛み締めつつ第2章へ。2017/11/13
33
4
連城の大人の本気に目が点になった…これは立派な犯罪ですw連城もケイも方法が言葉か演技かの違いで、己を表現したい凄まじい欲求。芸術家の苦悩を体感したように感じる。2009/06/30