内容説明
剣山で裂命星を護りきってから、高耶は赤鯨衆の新たな熱源となっていた。高耶自身、赤鯨衆を仲間として受け入れつつあるようだった。裂命星を足摺まで輸送するため、特別遊撃隊として室戸の猛者たちが高耶の配下に加わった。だが、中川は高耶を景虎の換生者ではないかと、疑いを持つのだった。一方高耶を探して祖谷に向かった直江は、山中で大きな黒い毛むくじゃらの怪物に遭遇するが…。
感想・レビュー
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枯伍
11
高耶、今度は剣山から足摺に裂命星を運ぶ任務に。その間にも刻々と距離を縮める直江。謎の黒い獣と山神を名乗る少女が連れになった。嶺次郎の話す四国大転換と関係があるのか? 潮も記憶が戻る予兆がちらほら。吉村は相変わらずこそこそ悪だくみ。新しい部下たちの反抗も楽しい。宇和島に伊達家上陸して赤鯨衆と激しい戦闘が続く。戦いをむさぼるような高耶はどんどんと地位を確立していく。正体を知っていた中川も高耶の苦しみを見て沈黙していたが、ついに首領草間以下にもバレてしまう。岩盤主従はいいですね。岩田だけが見たw2018/01/24
あすな
10
慕う者に失望されること想像して怯え、世の秩序に反して生きる自分を糾弾されること恐れ…。「もう……たくさんだ」。そして、虎は、戦いに身を委ねる。/赤鯨衆で頭角を現す高耶。彼の魅力の前では誰もが無力なのである。…ホラ。急がないと熱烈信者が増えるばかりだよ!直江氏!室戸の掟、絶句でした。さっさと兵頭に任せて休んじゃおうぜ!高耶ちゃん!なんて、口が裂けても言えなくなった。ボコボコにされるよ、直江氏に…。掟、怖いッス。/いよいよ会えるか?!てか、吉村ぁ!!永吉さんよ!何でもいいから、直江氏連れて来ちゃってよ!!2014/02/02
藤月はな(灯れ松明の火)
10
空海と四国の地形、四国遍路の関係性には「ぬらりひょんの孫」の四国編やQEDシリーズを思い出しました。3巻分収録のメモリアルを読んで個人的に「この人の下でなら命を懸けてもお仕えしたい武将」となった伊達政宗が上杉に侵略され、高耶さんに向けて憎悪するようになったことがショックでした。謙信は一体、どんな気持ちで伊達を攻撃したのか。人の心は打算と自己投影ばかりで信用ならない者としてはそれは高耶さんに対する当て付けなのかと疑わずにはいられません。伊達正宗にも死んで欲しくはないです。2012/02/01
たろさ
5
ミラステ後の再読。織田についた長秀と闘い、直江が近づいてきていることを知った高耶の心は乱れる。わずかずつ、高耶に近づいていく直江。ーー私にとって、この世で一番、尊いと思える人です。 嶺次郎の望みは裂命星を使った四国大転換。夢にまで直江を見るようになった高耶がしようとしたことは、中川によって阻まれるが…直江も高耶にとって、自分は重荷にしかならないのかと、悩む。もう、この、二人は、本当に! 赤鯨衆と共に闘ううちに自分の生を求め始めた高耶だが、すでにカウントダウンが始まっているんだよなぁ。2018/10/10
りつか
5
遊撃隊も増強され、四万十方面の部隊長にも任命されて。一方直江は着実に高耶に近づいて、でも…なところで終わってたので続きが気になるううううう、って思いながら読み終えた。四国の結界の話、面白いなー。お遍路さんを順番どおりに回ると猪、逆さにみると狗か…。この結界、この先どう絡んでくるのだろう。続きが楽しみ。【tkb】2012/05/31