内容説明
山崎一歩は、自由な校風で知られる陵北高校2年生。マイナーながら文芸部の部長である。学園祭を目前に、学校じゅうは熱気につつまれ、一歩たちも準備に忙殺されていた。そんな時、学園祭の即刻中止を求める匿名の張り紙が校内に張り出された。それはどうやら、詰襟の学生服や黒のブレザー姿の、奇妙な1年生集団のしわざらしい。だが、彼らの妨害が予想される中、学園祭はいよいよ明日に迫った!学園SF。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪待
3
個性の均一化、画一化によって全体としてのクオリティを上げようとする体制に対し、あくまでも本人の自主性、個性を尊重したいと願う主人公達の戦いである。いつもなら敵は異次元人等と明確に超常的な存在として描かれている所だが、本作は少しばかり毛色が違う。それを匂わせる描写はあるものの、最後まで敵の正体を明らかにはせず、現実の延長線上にある物ともとれる作りになっている。ある意味、SFですらない所が面白い。個人的に、眉村作品の中で一番好きだ。知る人ぞ知る名作。知名度が致命的にないのが悲しい。2017/11/03
洪七公
1
読了1987/10/22