感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
77
数子ちゃんを手玉に取るとは演劇部部長は大したもんだ。下のハイライトは何と言っても鉄馬の語りの章。特に鉄馬とお父さんの会話のシーンに爆笑。『源氏物語』や『女の一生』についての鉄馬のコメントも面白い。同性愛者をパンジーと呼ぶのを本作で初めて知る。上では家弓ちゃん、下では鉄馬の章があるのに、勉の章だけないのは、この2人に比べて、勉には語る程の内面がないということか。2017/06/03
くみ
20
なんのかんのいいながらお互いに情が湧いてきた3人。数子さんもすごい発言するけど根は優しい子なんだなぁと思った。あと結構単純で周りの女の子には見抜かれるのに気づいてないのもご愛嬌!最後はどうなるのかと思ってイライラしたけど清香さんが一枚上手でした。土壇場になると数子さん、冷血漢じゃないんだなぁと実感する(笑)これからも賑やかな生活が続く予感のというラストも好き。彼らのパワーに引っ張られてぐいぐい読めて楽しかったです!2018/10/02
eihuji
13
基本作家読みの僕の女性作家遍歴(!)は極めてシンプルで、若年期に新井素子・氷室冴子に続いて栗本薫を、近年は佐藤多佳子・上橋菜穂子を好んで読むくらいであとは散発的に手に取る程度に過ぎない。今回久々の再読にあたり少なからず躊躇があった。想い出は美し過ぎて、では無いけれど再読による再評価で幻滅が生じるのではないかと云う類の不安である。杞憂であった。軽妙にして秀逸。僕がまるで成長していない可能性の言及は不要。少年の心を持続していると捉えよう。佐藤・上橋両氏と同様、氷室冴子の新作が読みたい。叶わぬと承知しつつも。 2017/10/11
七色一味
10
★★★2021/04/24
しゅわ
9
氷室冴子さん勝手に再読祭り♪ 三人のドタバタ雑居も…漫画家のアシスタントをしたり、勉くんの受験があったり…あいかわらず。特に下巻は、数子ちゃんが「ちゃっかり利用される」エピソードが多くて、ますますかわいそうになってしまいます。いろいろ強烈なキャラが多いこの物語ですが、私の中では鉄馬さんのおじいちゃま&母上が一番コワかったです。2013/01/04