出版社内容情報
氷室 冴子[ヒムロ サエコ]
著・文・その他
内容説明
『入道の変』の解決のために瑠璃姫と活躍した鷹男の東宮が、即位して新しい帝となった。だが、浮気な性格は相変わらず、瑠璃姫に対して熱心に手紙や使者を送ってくる。ところが、瑠璃姫の許婚である高彬は、鷹男の意向を尊重するというのだ。そんな高彬に業を煮やした瑠璃姫は、出家してやるといって縁の尼寺に駆け込むが、その夜、実家の三条邸が炎上した!瑠璃姫を恨む何者かが放火したらしい…!?
著者等紹介
氷室冴子[ヒムロサエコ]
本名・碓井小恵子(うすいさえこ)。藤女子大学国文学科卒。『さようならアルルカン』で集英社の青春小説新人賞に佳作入選。2008年6月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみちゃん
34
1巻を読んで速攻で読むつもりでしたが即読みたい新刊が重なりひと息置いてしまいました。「入道の変」を見事解決してついに【初夜!!】(笑)を迎えることとなった瑠璃姫と高彬でしたが、ひょんなことから行動を共にした鷹男(東宮)に気に入られ文を送られたことにより事態は一変!!【初夜】どころか無期延期?白紙の状態に・・。ところが言い寄られるほどに冷たくあしらってしまうのが女の子なのよねぇ~。周りの圧力についにブチ切れた我らが瑠璃姫は「尼になってやる!!」とばかりに尼寺に駆け込むあたりいかにも瑠璃姫らしい。(笑)2018/12/27
ユメ
34
筒井筒の仲の高彬と鷹男こと帝が瑠璃姫をめぐって恋の火花を散らし、更に初恋の吉野君まで登場するという、まさに「女の子が一度は夢見る理想の恋のかたち」のような展開。そんなシチュエーションに浮かれつつも、鷹男の度重なる求愛にもなびかずに「高彬と結ばれないなら尼になってやる!」という意志の強さも持った瑠璃姫は、やはり魅力的な女の子だ。吉野君が鬼と化してしまった理由はとにかく切ない。しばし二人きりになった瑠璃姫と吉野君が振り返る幼き日々の思い出は、胸が痛くなるほど純粋に美しくて、それがいっそう今を切なくさせる。2018/11/18
糸巻
22
シリーズ第2巻。東宮・鷹男からの猛烈なアプローチを受けなんとか躱そうとする瑠璃姫。恐れ多くも東宮と婚約者の板挟みになり、東宮を立てるしかない高彬が少しだけ情けなく…。今作では二の姫の初恋話から展開して、三条邸が炎上、瑠璃姫を怨む何者かによって命を狙われることに。貴族の姫君が殺害を企てられるって、ほんと破天荒な瑠璃姫だけだよな…。事件の裏側に鷹男の廃位を企む何者かがいるのではと瑠璃姫は身分を偽り後宮入り、暗躍する。先帝にも物怖じしない瑠璃姫が良かったし、高彬の優しさも感じたけど切ない終わり方だったな。2025/07/26
Norico
16
吉野君。何度読んでも切なくて後半は泣きまくり。2020/01/03
おざわさき
15
…泣いた!泣いた!30数年前に初めて読んだ時に泣いたかどうかはもう忘れたけど、これを読んで泣かないわけない!…とその割に話の細かい展開を忘れていて楽しく読めたのでした(苦笑)復刻版はここまでかなぁ。続きを取りに実家に帰ろうか迷うな。2018/11/10