出版社内容情報
内容説明
“聖女の箱庭”を意味する瑠弥麗火宮で園林の花々と共に隔離されて育てられた泥蝉王女、朶薇那。後の名を戻露珠は、凱の軍兵に襲われそうになった折、助けてくれた異国の皇子・高透雅のことを片時も忘れることはなかった…。紆余曲折の末、透雅の妻として迎えた初夜。二人の想いはすれ違って―!?愛を信じることのできない透雅を、露珠は愛する花に想いを託し解きほぐしてゆく―。
著者等紹介
はるおかりの[ハルオカリノ]
熊本県出身。『三千寵愛在一身』で、2010年度ロマン大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あっか
76
後宮シリーズ第8弾。いつになくハッピーエンドで、思わずウルッとするくらい素敵な最後でした。途中の挿絵の、透雅が煙管を持つ手が美しくて惚れ惚れ♡透雅と露珠のままごとみたいな純愛と、事件の血腥さのギャップが凄かったけど…(死人が今まで以上に多い!)後宮は誰かが病む場所ですね…第三皇子の彼が今後どうなるのか気になる。そして崇成帝(遊肖)がなかなか苛烈な太上皇になってる…今回は著者も初という纏足の描写に背筋がゾワッとしました。でもやっぱりそれを上回る主人公2人の関係が素敵!テーマも「花」で全体的に華やかでした。2020/04/26
kagetrasama-aoi(葵・橘)
36
「後宮シリーズ」第八巻。「後宮麗華伝」前作から六年後のお話。母の出自のために皇位から遠い第五皇子 高透雅が主人公。凱帝国が滅ぼした異民族の泥蝉国の王女 戻露珠を王妃として迎えさせられます。赤毛に翡翠色の瞳、如何にも異民族の風貌です。透雅のスペアの皇子でしかない葛藤は読み応えありました。そして王女として生まれ、戦争によって翻弄されても、自身の役割と自尊心を失わない露珠が素敵でした。二人がお互いに惹かれて行く様子に心癒されます。甘甘って良いですよね❗️今巻のテーマは花でした。後宮の話に花は本当に似合います。2024/01/26
よっち
31
凱の軍兵に襲われそうになった折に異国の皇子・高透雅に助けられ、紆余曲折の末、透雅の妻となった戻露珠。助けてくれた高透雅のことを片時も忘れることがなかった露珠と透雅のもどかしい恋が描かれる第八弾。露珠の優しさに徐々に惹かれてゆく透雅と健気に想い続ける不器用な露珠のやりとりは、もどかしくてもいつかうまく行きそうな感があってあまり心配はしてなかったですけど、それにしてもこの一族は何というか不幸な報われない恋というか、ちょっと悲劇が多過ぎますね…後味悪い話も多くて、そろそろ流れが変わって欲しいところではあります。2018/02/25
ぐっち
21
2人のすれ違い両片思いを満喫しました。事件の真相が悲しい。2018/02/04
さなえ
16
序盤ちょっと読みにくかった。外国人ヒロインだからか言葉づかいがめんどくさい。安定の?両片思いとドロドロ後宮は良い。なかなかシンプルなめでたしめでたしにはいつもならなくって不安要素の多いこの凱国の宮廷。それがまあこのシリーズの特徴なのでそれ自体はいい。物語としてはいいんだけれど、それでもなお末永く幸せに暮らしてほしいなとも思う。純禎公主(第4作ヒロイン)の孫娘が出てきていて作中でそれだけ年月が経つているのも驚き。2018/04/16