内容説明
『銀葉亭』を訪れた尼僧は語る。柳一葉のことを―。蒼姫と過ごす日々を一葉は幸福だと思っていた。だが、その幸せは突然打ち砕かれる。彼女が殺されたのだ。同じ頃、一葉が売った矢立を手がかりに柳家の家令が彼のもとを訪れた。家令はそこで、盗人だと聞いていた男が一葉だと知る。だが、後から来た役人によって、一葉は蒼姫殺しの下手人として捕らえられてしまい…。
著者等紹介
金蓮花[キンレンカ]
3月20日、東京生まれ東京育ちの在日朝鮮人三世。朝鮮大学師範教育学部美術科卒業。1994年5月『銀葉亭茶話』で第23回コバルト・ノベル大賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Natsumi
4
図書館
千歳
2
ひとつひとつのエピソードはとても丁寧に書かれているし、一樹が一葉に抱く心情も理解できる。しかしどうにもまとまりが悪くて後半は無理やり終わらせた印象。一葉と蒼姫は「うん、あなたたちが幸せならもうそれでいいんじゃない」と思えるんだけど、弟夫婦があまりにも救われない。一樹にもさまざまな場面での選択のまちがいはあったにせよ、一葉が兄でなければここまで苦しむことも歪むこともなかったと思う。弟妻の伊美麗にいたっては完全に兄弟の確執に巻き込まれた形で気の毒すぎる。これを最後に銀葉亭シリーズが出てないので続刊を強く希望2011/01/02
kmori299
1
再読。敷かれたレールを歩いていた人がレールから下ろされて本当の自分に気づくって物語は好きなのだ。もうちょっと本人以外の周りにも救いが欲しいところではあるけど。もう続き出ないのかな、月流の話は読みたかったのに。2017/01/21
悠未
1
中盤辺りから、この尼僧は誰なんだろうと不思議でした。蕾姫の言うとおり異常なまでの執着を感じ怖かったです。久しぶりに時間を忘れて世界に没頭してました。2011/08/06
未明
1
読み直してみたら、覚えていた印象よりは良かったんだけど、やっぱり最後のあたり判りにくいというか、バタバタし過ぎではしょってる印象は拭えない。それでも銀朱シリーズのグダグダな引きよりは遥かにマシなんだけど。(銀朱はページ数が足りないとか、時間が足りないとかいうより、技量が足りなくてグダグダになってる思えるくらい酷いから……)後は、やっぱり主人公達以外のキャラが必要以上にイヤなヤツに書かれている気がして嫌だ。特に弟。そこまで不幸にしなくてもいいじゃん……2010/08/19