感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つくよみ
49
図書館本:ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)の作品が61点収められ、それぞれに解説が添えられている。これらを代表する一点として『大水浴図(1887)』に関する小論文。さらにエッセイ、ルノワール自身の評伝が、各1本巻末に。作品を追って観てみると、彼の絵は基本的に明るい色彩に彩られているのが解るが、輪郭線の明確さ等の作風は、時代によってかなり変わっているように思える。一時に多くの絵を観比べることが出来る画集と言う手段を通じて、お気に入りの画家の、更にお気に入りを絞り込むのも楽しいかと。2013/12/21
coco.
14
オーギュスト・ルノワールの画集。目に見える変化をつけずに官能、純粋、談笑と描き分ける表現力がある。特に木漏れ陽を描かせたら右に出る者はいない。午後のひとときのような風薫る野外風景は、ゆったりくつろぎながら見るのにいい。『サマリー夫人』は、本当にルノワールが愛した女性。愛情溢れる色使いに惹かれた。ヴェネチアの風景画には、現実にはあり得ない誇張表現の色が多い。お気に入りの場所かと推測してみれば、本人も感激していたという記述を解説で発見。印象派の画家は、使う色で本人の心理状態も把握しやすい。2014/04/07